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2013/10/31(木) 16:42

官民学の連携が成果あげる未来都市モデルプロジェクト

投稿者:  牧田司

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経団連「日本再興への道」未来都市モデルプロジェクト・シンポジウム

 経団連が「日本再興への道」と題する未来都市モデルプロジェクト・シンポジウムを行ったと先に紹介したが、「都市と成長戦略」について基調講演を行った東大大学院教授・伊藤元重氏の講演内容と、未来都市モデルプロジェクトに選定されている「北九州アジア戦略・環境拠点都市」(北九州市長・北橋健治氏)、「西条農業革新都市」(住友化学代表取締役常務執行役員・西本麗氏)、「福島医療ケアサービス都市」(NTT常務取締役・篠原弘道氏)、「沖縄物流拠点都市」(全日空常務取締役執行役員・岡田晃氏)、「柏の葉キャンパスシティ」(三井不動産常務執行役員・小野澤康夫氏)のシンポジウムの内容を以下に紹介する。

◇       ◆     ◇

 伊藤教授は、アベノミクスの3本の矢のうち第1と第2の矢は想像以上に働いているものの、肝心の第3の矢の成長戦略はいまひとつ迫力に欠けるとし、民間投資を促進するシナリオが必要と強調した。その際の政策ポイントは「変化のスピードアップ」と指摘。TPP参加の決断、東南アジア向けビザの緩和などスピードアップ化に対して安倍政権のかじ取りを評価した。

 今後は電力需給、高齢化対応、環境問題などで一層の規制緩和と改革スピードアップが必要とした。都市問題については成功事例、失敗事例をどうやって全国に広げるかが課題と話した。農業政策では減反政策の見直しが必要と述べた。

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 未来都市モデルプロジェクトについては、経団連や経済広報センターのホームページにも公開されているので参照していただきたい。

 「柏の葉」の取り組みについては記者もその都度記事にしている。「柏の葉三井不動産 RBA」の3文字で検索していただけば10本ぐらいの記事が出てくるはずだ。

 北九州の取り組みは「すごい」の一言だ。よくぞ「死の海」から「緑のまちへ」再生を遂げたものだ。三井不動産の小野澤氏も見学して刺激を受けたそうだ。水や環境ビジネスの「北九州モデル」を東南アジアなどへ輸出するという。官と民が連携して初めてできる事業だ。

 「西条農業革新都市」は、これからの農業のあり方を問う事業で興味深い。農地法の規制や農協、物流などの難問をどうクリアしていくのか。儲かる農業は可能なのか、食糧自給率は高めることができるのか。森林・林業、漁業との連携を密にして6次産業化を早く確立することが求められている。

 「福島医療ケアサービス都市」は、ICTなどを駆使して深刻な過疎村の遠隔医療相談やデマンド交通、緊急避難に生かそうというもので、さらに観光にも結び付けようというものだ。高齢化は過疎村だけの問題ではない。首都圏近郊の大規模団地でも高齢化は加速度的に進み、空き家の大量発生、コミュニティ崩壊、限界集落化、廃村が大きな社会問題となるのは必至だ。

 「沖縄物流拠点都市」は、全日空が沖縄観光に力を入れているのはOSI(沖縄観光産業研究会)を通じてよく知っていたが、まさか人口20億人が住む東アジアの中心地という利便性を生かして「国際物流ハブ拠点」として地歩を固めつつあることは知らなかった。沖縄は気候の問題もあるだろうが、東アジアの観光拠点にはならないのだろうか。

 シンポジウム全体を通じて官民学の連携こそがあらゆる分野の問題を解決する道筋だと強く感じた。

未来都市モデルは成長戦略の重要な柱」 経団連シンポ(10/31)

 

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