三井不動産は3月20日、日本橋再生計画の第二弾「コレド室町2」「コレド室町3」を開業する。開業に先立つ17日、開業記者会見・内覧会を行い、数百人の報道陣が詰めかけた。
「日本橋再生計画」は、伝統ある老舗など街の文化を残し、水と緑の賑わいを甦らせ、新たな街の魅力を創っていく、「残しながら、蘇らせながら、創っていく」をコンセプトに再開発を進めているもの。
「コレド室町2」「コレド室町3」は、再開発の第一弾ともいうべき「コレド日本橋」(2004年竣工)、「日本橋三井タワー」(2005年竣工)、「コレド室町」(2010年竣工)に次ぐもの。今後も「室町三丁目」「室町一丁目」「日本橋一丁目」「日本橋二丁目」「八重洲二丁目北街区」「八重洲二丁目中地区」など再開発計画が目白押しで、面的な再開発が進められる。
新しく開業する「コレド室町2」「コレド室町3」には、外国人コンシェルジュによるインフォメーション・ガイドツアー(日本橋案内所)を開始するほか、和のおもてなしレンタルスペース「橋楽亭/囲庵(COREDO 室町)」を設置。外国人が無料でインターネットを利用できるWi-Fiを整備する。
記者会見に臨んだ同社飯沼喜章副社長は、「今回のコレド室町2とコレド室町3の開業と日本橋三井タワーのリニューアルオープンは、江戸の往時の賑わいを取り戻す再生プロジェクトの一環であり、今後も日本橋の新たな魅力を発信し続けていく」と話した。
年間の来街者は1,700万人、売上高は110億円を見込む。
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マンションブランドなら100も200も価値判断ができるが、飲食・ファッションなどの商業施設はさっぱり分からない。しかし、三菱地所が進める「丸の内再構築」と同社の「日本橋再生」は明らかに街づくりのコンセプトが異なるぐらいは素人目にも分かる。
三菱地所は「世界でもっともインタラクションが活発な街」を掲げ、アジアの国際拠点都市としてグローバル化に取り組んでいる。仲通りにはティファニー、エルメス、バカラ、プラダなど世界的ブランドと流行を発信する国内のセレクトショップが軒を連ねる。20年前は土曜、日曜日となるとほとんど人通りが途絶えた「過疎」はいまでは日本一の賑わいのある街変わった。
一方の「日本橋」は前面に「お江戸日本橋」を打ちだしている。桜、祭り、着物、茶道などのイベント積極的に行い、店舗も榮太樓、にんべん、木屋、小津和紙、鶴屋吉信、千疋屋などわれら団塊世代にもなじみのある店が多い。
両社が狭いエリアで競り合ってどうなるのかという心配もあるが、おそらくこのコンセプトの違いで住み分けができ、相乗効果となってより賑わいを増すのだろう。両社のこれからの投資額はそれぞれ数千億円、双方では1兆円を間違いなく突破する。