ポラスグループの中央住宅マインドスクェア事業部は9月4日、同社の分譲マンションの新ブランド〝LEPIA COURT(ルピアコート)〟の第一号物件「ルピアコート光が丘公園」の見学会を行った。光が丘公園に徒歩3分の立地で、価格は未定だが〝新価格〟になるのは間違いない。
物件は、東武東上線成増駅から徒歩10分、東京メトロ有楽町線成増駅から徒歩8分、板橋区赤塚新町に位置する5階建て全50戸。専有面積は59.81~84.60㎡、価格は未定だが70㎡台で5,000万円を超える予定。完成予定は平成27年3月上旬。設計・監理はジェイ・ディ-・エス。施工は川村工営。販売代理は東京中央建物。10月中旬から販売開始する。
「LEPIA COURT」とは、フランス語の定冠詞「Le」と「Utopia」(理想郷)を繋いだ造語で、「宮廷」を意味する「COURT」を合わせ「理想の空間」をコンセプトにしたもので、木の温かみを盛り込んでいる。
商品企画は、50戸のうち54%にあたる27戸が角住戸タイプで、実用新案取得のピアキッチン、ライトコート付き、奥行き3mのテラス付き、新しい提案を盛り込んだ中和室付きなどが特徴。食器棚は標準装備、引き戸は開閉ともソフトクローズ機能付き。
また、スマートキーシステムを採用し、カギ穴がない玄関ドア、不在でも玄関まで食品を届けるサービスも盛り込む。
発表会で同社マインドスクェア事業部長・金児正治氏は、「従来のブランド〝ライフピア〟を残しながら、あるべき姿を提案するために新ブランドを立ち上げた。戸建て採用している木の素材を取り入れた。まだまだ足りない部分があるか今後進化させたい。3年後には現在30億円のマンション事業を100億円に、主力の戸建て事業を150億円にして合計250億円にしたい」などと意気込みを語った。
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金児氏は冒頭、「挨拶は5分間の予定になっているが、それじゃ終わらない」と前置きし8分にわたってマンション、戸建て事業のほかジョイント・ベンチャー、リノベーション・リファイニング、再開発、建て替えなどについて語った。
ここでは一つひとつについて触れないが、ポラスが本格的な戦いを挑むという意思表明と受け取ることができる。だからこそマンションブランドに定冠詞「Le」をつけたのだろう。ここ数年、同社がアピールしているピアキッチン。これに似たものは億ションのモデルルームで採用されていたようにスグレモノだ。モデルルームにはないが中和室の提案もなかなかいい。引き戸、鍵穴なしの玄関ドアもしかり。問題はこれらの商品企画をどうユーザーにアピールするかだ。
「価格は未定」と担当者が強く言ったのでここでは書かない。2~3年前に成増駅前で分譲されたマンション坪単価より高いということにとどめておく。
ポラスだから言うのだが、あえて注文もつけたい。気のぬくもりがコンセプトになっているはずだが、本物の木が採用されているのはピアキッチンのみだ。床のフローリングは無垢材と見まがうほどではあったが、シート張りだった。同社の戸建てでは無垢のフローリングは常識だ。それなのにマンションはどうしてそれをやらないのか。「傷がつかないから」というのは、本物が採用できないデベロッパーの言い訳だ。
さらにもう一つ。これは他のデベロッパーも考えてほしい。モリモトのマンションについてだ。同社は8月8日付で「ディアナコート本郷弓町」(分譲40戸)が完売したとホームページで公開した。販売開始から2カ月くらいしかたっていないはずだ。
詳細は別掲の記事を参照していただきたいが、徒歩4分で坪単価は410万円。4年前、野村不動産が東大赤門前で分譲したマンションの坪単価は360万円だった。
分譲時期は異なるが、「プラウド」と互角以上の勝負をモリモトはやった。しかし、モリモトがここまで来るまでに20年かかっている。建築費を価格に転嫁しただけではユーザーを納得させることはできないということだ。
あっぱれ!モリモト階数を2層分減らし天井高2.7m確保「本郷弓町」(2014/5/23)