多様化する働き方を支援するワークプレイス・ソリューションプロバイダーの世界最大手企業、リージャスが世界100カ国、2万2,000人以上の経営者や経営幹部を対象にした「理想の職場」に関する調査結果をまとめ発表した。
各設問に対する日本の回答を紹介する。( )内がグローバル平均。
・「安全性が高い」40%(67%)
・「素敵な外観」29%(63%)
・「高機能で信頼性の高いIT環境」56%(82%)
・「プロフェッショナルな受付スタッフ」21%(55%)
・「金融街やメディアの集積地に近い」6%(20%)
・「一等地の立地にある」11%(19%)
・「同業種企業や同規模企業のオフィスに近い」4%(9%)
・「レストランやショッピング場所に近い」11%(18%)
・「駐車場がある」14%(48%)
・「ターミナル駅や複数路線乗入れ駅に近い」55%(49%)
・「将来有望な立地にある」5%(15%)
・「科学産業集積地域内かその近くの立地にある」3%(5%)
・「自宅に近い」15%(23%)
・「学校・保育園・託児所に近い」5%(6%)
◇ ◆ ◇
この結果について、リージャスの日本法人である日本リージャス代表取締役・西岡真吾氏は、「日本だけでなく諸外国においても、職場の立地を“一等地にある”ことよりも“自宅に近い”ことを求めていることが明らかになりました。当社のような多数の拠点を持つサービスオフィスを職場として活用することは、従業員それぞれの自宅に近い立地に職場を設けるひとつの助けとなります。その結果、従業員の通勤時間は短縮され、仕事の生産性やモチベーションの向上につながるでしょう」とコメントしている。
読者の皆さんは、この結果から何を読み取られるか。記者は「ターミナル駅や複数路線乗入れ駅に近い」を除く項目で日本がグローバル平均を下回っていることに不思議を感じた。
設問に対して複数回答が可能だったので、日本の回答者は複数回答をしなかったということがまず考えられる。もう一つは、「理想の職場」に対して多様な考え方をわが国の回答者が持っていることの反映ではないかということだ。あるいはまた、高望みしない身の丈に徹する、言い換えれば〝二兎を追う者は一兎をも得ず〟のことわざ通り、あれやこれや追い求めない日本人の精神性の表れとも受け取れる。さらに言えば、多くの項目ですでにわが国は理想に近い立地・環境にあるからだとも考えられそうだが、どうだろう。