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2015/02/09(月) 00:00

地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」

投稿者:  牧田司

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「プラウドシティ南山」完成予想図

 野村不動産が2月末に分譲するマンション「プラウドシティ南山」を見学した。産官学が連携して開発を進めている総面積約87haの南山東部土地区画整理事業区域「スカイテラス南山」の一角にあり、戸建てを含めた分譲住宅の第一弾。昭和40年代から開発の是非をめぐって論議が展開されてきたいわくつきのプロジェクトだ。

 物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩6分、東京都稲城市大字東長沼に位置する16階・地下3階建てと14階建て2棟全412戸の規模。専有面積は71.94~103.25㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は3,290万~6,220万円(最多価格帯4,200万円台)。竣工予定は平成28年1月中旬。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は北下がりの傾斜地にあり、マンションのエントランス部分は「スカイテラス南山」のほぼ入口に位置。建物はロの字型に配されている。住戸プランは、同社のラクモア、食洗機、ディスポーザが標準装備。

 マンションギャラリー所長・山田博之氏は、「年明けにモデルルームをオーブンしてから週に60件の来場がある。第1期は100~150戸くらい供給したい。80㎡台で4,200万円台という広さをアピールしていく」と話した。

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全体計画図

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 早期完売できるかどうかは、価格(単価)の安さ・広さをどうアピールできるかにかかっている。

  もう一つは、これまでも京王相模原線のマンションは他の沿線と比較して割負けしていると書いてきたように、市場での評価(ポテンシャルの低さ)を克服し、他の沿線居住者をどう呼び込むかだ。

 その点、「稲城」は多摩センターや若葉台などと比較するとややハンディを負っている。「稲城」と聞いてどのような街か分かる人は少ないはずだ。梨の産地くらいしか思い浮かばないのではないか。

 そんなハンディを覆すには、先に書いたように産官学が連携してプレゼンスを高めることだ。エリアマネジメント南山や首都大学東京の取り組みに期待したい。見学したその日も、エリアマネジメント南山の宇野健一氏とばったり会った。面白い企画を提案するはずだ。

 同社としても先行するマンションで好成績を残し、2年後に供給が始まる戸建て500~600戸につなげたいはすだ。同社はこのほか、同じ稲城市内で「稲城上平尾土地区画整理事業」(施行面積25ha)と「稲城小田良土地区画整理事業」(施行面積29ha)にもかかわっている。マンションだけでなく、戸建て事業でも競り合う三井不動産を抜きたいところだろう。

 援軍もある。「住みよさランキング2013」(東洋経済)都内1位、「主婦が幸せに暮らせる街」(学研)全国2位は解せないが(多摩センターのほうが上だろう)、人口増加率は東京都市部1位、年少人口率は都内1位だし(URが開発した新しい街)、刑法犯罪認知率の低さは都内1位(よくぞそんなテータを探したものだ)はセールスポイントになるはずだ。

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 京王線に限ったことではないが、それにしても長谷工コーポレーション施工が多い。

 仙川から京王相模原線の同社施工物件を調べたら、今回の物件のほか野村不動産「プラウド仙川」(275戸)、大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺Ⅱ」(284戸)、積水ハウス「グランドメゾン仙川」(305戸)、三井不動産「パークホームズ調布桜堤通り」(325戸)、大成有楽不動産「オーベル若葉台ヒルズ」(131戸)、清水総合開発「ヴィークステージ多摩センター」(165戸)、東レ建設「シャリエ多摩境」(131戸)がある。

 6駅圏8物件で何と2,028戸だ。これから同社施工で分譲されるものと、野村不動産「オハナ八王子」を含めると2,500戸を突破する。これらのエリアでの長谷工施工比率(占有率)は50%に達するはずだ。

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市街化区域編入から44年稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)

 

 

 

 

 

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