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2016/05/31(火) 00:00

「消費増税先送りはプラスに働く」 プレ協・樋口武男会長

投稿者:  牧田司

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樋口会長

 プレハブ建築協会・樋口武男会長(大和ハウス工業会長兼CEO)が消費増税問題について、「足元の住宅市場は集合住宅は大変好調に推移しているが、一戸建ては伸び悩んでいる。消費増税が実施されれば戸建てに影響するのを懸念している。増税の先送りは住宅業界だけでなく全体の景気にとってプラスに働くことを期待したい。財政出動も必要ではないかと考えている」と、安倍総理大臣が増税の先送りを指示したことに理解を示した。5月31日に行われた同協会の定時総会後の記者会見で語った。

◇    ◆   ◇

 増税の先送りについては、住宅生産団体連合会(住団連)・和田勇会長(積水ハウス会長兼CEO)が5月26日の木住協の懇親会で「いつも駆け込みやその反動で苦い思いをさせられる。今回はどうやら延期になりそうな雲行きで、拍手喝さいしている」と述べた。

 一方、不動産協会の木村惠司理事長(三菱地所会長)は5月12日に行われた同協会の総会後に「早めに決めていただき、軽減措置など対応もきちんとしていただきたい。先送りしても5年、10年にはまた問題が浮上する」と、消費増税を実施すべきとの考えを示した。また、岩沙弘道会長(三井不動産会長)も「景気対策を立てたうえで実行すべき。財政が厳しいのは論を待たない。政府が国際公約として掲げているプライマリーバランスの黒字化は喫緊の課題」と語っている。

◇   ◆   ◇

 このように、住宅業界とデベロッパーのトップの考えが真っ向から対立している。どちらが正解か記者も分からないが、肩透かしを食らったような気分だ。

 安倍総理は再三「リーマンショックのような事態が起きない限り実施する」と語ってきた。景気判断は海外動向も重視すべきなのは当然だろうが、海外リスクはいつも伴う。世界を揺るがすような災害・内紛・戦争の火種は山ほどある。それこそ天が降ってくるという杞憂が現実のものになるのではないかという危機感が充満している。

 しかし、そんな心配ごとを選挙の道具にしていいのか、釈然としない。「景気の気は気持ちの気」というではないか。賃金は上がっていないが、企業業績も雇用も上向きだ。せっかく2020年のオリンピック・パラリンピックに向け景気の回復に期待が掛かる中、増税の先送りは消費マインドを冷え込ませないか心配だ。肝心の「三本の矢」の矢を放つ寸前で待ったをかけられたような失望感を感じる。8合目あたりの梯子を外されたような気分だ。今日の樋口会長もだれかに遠慮しているのか、歯切れが悪かった。いつもの樋口節が聞かれなかった。

 私見だが、増税が先送りになっても一戸建てが劇的に上向くとはとても思えない。むしろ逆ではないか。様子見を決め込むユーザーが増えるような気がしてならない。

住団連・和田勇会長 「消費増税が延期になりそうなのに拍手喝采」(2016/5/27)

「消費増税すべき」木村、岩沙氏/「増税は最悪」ライフ清水会長 不動協が懇親会(2016/5/12)

 

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