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2016/10/31(月) 00:00

木住協 第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクールに応募2万件超

投稿者:  牧田司

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第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール記念写真(住宅金融支援機構すまい・るホールで)

 日本木造住宅産業協会(木住協)は10月29日、第19回「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクールの審査発表・表彰式を行った。

 作文コンクールは、「木の家」「木の建築物」「その材料としての木」のテーマに沿って語ってもらうもので、国土交通省、文部科学省、農林水産省、環境省、住宅金融支援機構などが後援。全国と海外5カ国の小学校から1,599校22,536の応募があった。

 冒頭挨拶した木住協・市川晃会長(住友林業社長)は、「皆さんからいただいた作品を、ここにお揃いの先生方に審査していただきましたが、先生方からは『今年は今まで以上にびっくりするくらい素晴らしい作品が多かった』と伺いました。

 私も皆さんの作品を全て読ませていただきましたが、木の家を通して、ぬくもり、優しさ、頑丈さ、そして、そこから生まれる将来の夢、お年寄りを思う優しい心、さらに、自然災害、バリアフリー、環境との調和など、世の中の関心事を敏感に感じ取り、それらが小学生らしい純粋な視点で書かれていて、とても心を打たれました。

 本当に甲乙つけがたい素晴らしい作品ばかりで、審査をしていただいた先生方も、さぞ苦労されたことと思います。

 私はこの作文コンクールが、皆さんにとって新しい発見や新しい感動を覚えるきっかけとなり、大地にしっかり根を張る大木のように、感性豊かな立派な大人に育っていってくれることを期待しています。

 この作文コンクールのテーマを支えている“木”は、未来につながる日本にとっても大切な資源です。少し難しい言葉ですが『サスティナブル、持続可能な資源』と言います。

 木は、1300年以上も前に建てられた法隆寺のようなお寺から、皆さんの家やその中の家具、ノートや鉛筆など様々な材料に使われています。そして今では、木を使った発電もできるようになりました。

 私たち日本木造住宅産業協会は、これからも木を大切にして、人や環境に優しく、ぬくもりのある、頑丈で、安全安心な木の家を、そして皆さんに感動を与えるような家をこれからも一生懸命に造っていきたいと思います」などと語った。

 また、来賓として登壇した国交省・住宅局住宅生産課長・真鍋純氏は、「作文は香りとか手触り感が生き生きと語られており、行政担当者として原点を知らされた」と祝辞を述べた。

 この日は、各大臣賞、木住協会長賞など28作品と佳作21作品、最優秀団体賞1校、優秀団体賞3校が発表され、各大臣賞についてはそれぞれ低学年と高学年の受賞者6名から作品朗読も行われた。

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市川会長

◇       ◆     ◇

 朗読された作文は、主催者の意向を忖度した親や学校の先生の指導・アドバイスを受けた結果、大人顔負けのこましゃくれた〝大人〟の匂いが鼻につく作文もあったが、全体としては世の中の関心事を敏感に感じ取り、それらが小学生らしい純粋な視点」で書かれおり、会場の参加者を感動させた。

 その中でも、記者の一押しは、農水大臣賞(高学年の部)を受賞した新潟県長岡市立青葉台小学校4年生・宮下月希さんの「わいど木のファンに」と題する作品だ。「わいど」とは「わたしたち」という意味の青森方言で、「わいど木」は転じて「青森ヒバ」の意味だそうだ。

 お父さんの実家のトイレは青森ヒバが使われており、その香りに驚き、貴重な木であることを突き止めていく展開がいいし、トイレが「私のひそかな観光場所」と結んでいるのが全体をきりりと締めている。以下、本人とお母さんの了解を得たので全文を紹介する。

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宮下月希さん

わいど木のファンに

新潟県長岡市立青葉台小学校4年 宮下月希

 いつも必ずおじいちゃんの家へ夏休みに帰省すると、行く場所があります。青森のむつ湾が一望出来るとても景色の良い場所です。同じ日本に住んでいながら、私の住む県では、絶対に見ることの出来ない、気持ちがリラックスできて、心が開けるそうかい感に、ひたれる最高の思い出の地です。その景色を見るために、いつも行ってもらうのですが、そこに、トイレがあります。とてもきれいなトイレでびっくりする位新しく感じます。トイレを好きだと言うと、おかしいかも知れませんが、私はこのトイレに入るのが、とても楽しみの一つになっています。

 他の人からしたら、何気ないふつうのトイレ。でも私は、そのトイレに入ると、ほっとします。トイレの入り口のドアを開けると、とても良い香りの木のにおいが、一気に私の鼻の中に入ってきます。木の香りは、とてもリラックスします。トイレが、良い香りと言うのも、変ですが、私は、そのトイレの木の香りが、毎年行く度に忘れられません。

 初めは、そのトイレがヒノキの香りだと思いました。ヒノキの木のにおいは、とてもいやされます。それと同じ木の香り。このトイレは、ヒノキの木のトイレではなく、青森県の有名な、青森ヒバというヒバの木を使って建てたトイレでした。

 ヒバの木、調べたらヒノキ科だと言うことがわかり、同じヒノキ科だから、香りも似ていることがわかりました。ヒバは、臭いや湿気をとる力が、ばつぐんに良いそうで、その機能を最大限にいかせるのが、家であり、そしてトイレではないかと思いました。トイレの臭いをヒバが、きゅうしゅうしてくれているのです。だからいつ行ってもヒバの良い香。消臭がばつぐんなんだと思います。

 私は、このトイレが、はずかしいけれど気に入っています。このトイレに入ると、気持ちが安らぐまほうのような木のトイレなのです。ヒバの木で、建てられた家に住めたら、どんなに幸せだろうと私は、いつも、ヒバトイレに行くと考えてしまいます。いつか私が大人になって、自分の家を建てられたら、絶対にヒバの木で、建てたいと思います。青森ヒバは、直径が70センチになるのにおよそ杉の木の三倍もかかり、およそ三百年もの年月がかかるそうで、とてもきちょうな木です。日本三大美林といわれているほど、きちょうな木だそうです。そんな木で建てた家は、何よりのぜいたくなお家です。トイレに使われているのは、もっとぜいたくな気がします。そんな、きちょうな木で作ったトイレと出会えて、何だか、とてもきちょうな所に自分は、いるのではないかと思えてきました。

 青森で毎年いろいろ連れてってもらうけれど、来年もまた、ヒバトイレに、行ってもらおうと思います。私のひそかなかん光場所です。

◇      ◆     ◇

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左から三交不動産専務取締役・三木亨氏、同取締役・若山文則氏

 三木氏と若山氏には、表彰式が終わってから喫煙室でお会いした。一言二言、話したら、木の香りではなかったがわが故郷の三重県の方言の香りがしたので「どちらの方ですか」と声を掛けたら三交不動産だった。2年前は、同社の小井氏とばったりお会いし、その後、場所を変えてたくさん酒を飲ませていただいた。何のお返しもできないが、今度、三郷中央でマンションを分譲するので見学して記事にしたい。

 読者の皆さんはご存じないかもしれないが、三重県はわが国有数の山林県で、かつて〝山林王〟と呼ばれた諸戸財閥発祥の地だ。三交不動産も首都圏のデベロッパーに負けない素晴らしい戸建て団地を開発している。

 主催者と審査員の皆さん、審査に手心を加えよとは言いませんが、エールを送る意味で一つくらい表彰していただきたい。三重の小学生の皆さんもがんばれ。どこにも負けない山と木がある。

木住協「木の家・こんな家に住みたい」作文コンクール 最多応募2万4000作(2014/10/26)

 

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