第2回「東京サステナブル会議」(ベルサール東京日本橋で)
日経BP社は12月12日、第2回「東京サステナブル会議」を開催した。会場には約700名が参加し、関心の高さをうかがわせた。
わが国はCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)を前に温室効果ガスを「2030年度に2013年度比26%削減」することを決定し、さらに長期的には2050年に現在よりも80%削減する目標を掲げており、環境先進国として世界に先駆けたモデルを示せるようその英知を結集する場として開催されたもの。
山本公一・環境大臣が「脱酸素社会に向かう世界~パリ協定がもたらすチャンス~」と題する基調講演を行ったほか、協賛会社に名を連ねる積水ハウス会長兼CEO・和田勇氏が「サステナブル社会の構築に向けて~住まいから実現する環境共生」をテーマにした講演を行った。
山本氏
山本氏は平成9年12月、自らが環境政務次官として京都会議(COP3)に参加したことが環境問題に取り組む出発点になったことを話し、先の「パリ協定」が先進国、発展途上国の別なく「持続可能な開発目標(SDGs)」に世界が合意したことに対して何度も「感慨深い」「感動している」と語った。
世界の環境先進国として、セルロースナノファイバー、窒化バリウム、LEDの普及、水素エネルギー、フロン対策などの取り組みに期待を寄せた。
続いて登壇した和田氏は同社の環境に対する取り組みとして、1999年に他社に先駆けて「環境未来計画」を発表し、エコ・ファースト企業として「5本の樹」計画をはじめ、現在では同社が施工する一戸建ての7割以上がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)であること、良好な既存住宅を流通させる「スムストック」の取り組みを強化していること、住宅の「健康寿命」を延ばすリノベーションを推進していることなど、一つひとつ話せば数時間かかる中身の濃い内容を約40分にまとめて熱弁をふるった。
和田氏
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パネルディスカッション①では、日経エコロジー副編集長・斎藤正一氏をモデレーターに、セイコーエプソン ペーパーラボ事業推進プロジェクト部長・市川和弘氏と八十二銀行総務部環境室室長・坂本智徳氏による「紙の未来を変える。乾式のオフィス製紙機『PaperLab』」と題するディスカッションが行われた。
「PaperLab」はエプソンが開発した製品で、使用済みの機密文書を機械に投入すると繊維状に粉砕し、約3分で1枚目の紙を、しかも水を全く使わないで再生するというものだ。1時間にA4の紙を約720枚生み出すという。紙の厚み、白色度、色付加も可能だという信じられないスグレモノだ。
製品の価格は2,000万円くらいするそうで安くはないが、環境への負荷を考えればすごい価値があるのではないか。コンパクト化を進め、処理能力を高め価格を下げられるようになれば爆発的にヒットすると思った。
それにしても水を使わないで紙をつくるなんて信じられない。購入を決めた八十二銀行の坂本氏も「信じられない。エプソンじゃなくて偽物ではないか」と最初に話を聞いたときは〝詐欺師〟ではないかと疑ったそうだ。一般的にはA4の紙1枚を作るのにコップ1杯の水を使用するそうだ。
「紙の未来を変える。乾式のオフィス製紙機『PaperLab』」
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11日(日曜日)に行われた読売新聞社主催の「新しい木の時代」シンポジウムに約400名が集まり、この日(月曜日)の日経BP社主催の「東京サステナブル会議」には約700名が集まった。休日と平日、会場のキャパシティの問題もあるのだろうが、2日間でこれほどの人が集まった。ともに地球温暖化防止にとって欠かせないテーマで、その取り組みに期待が高まっていることを証明した。
どうでもいいことなのだが、先日の記事で「読売は読まない」と書いたが、この日(13日)、三井不動産のイベントを紹介する読売の記事「去る『申』、来る『酉』…癒やしの引き継ぎ式」が12:45にヤフーのネットに配信された。
記者はそれより早く、12:40くらいに「〝今年はまさかの年でござるが、来年はいい年をとりましょう〟」の見出しの記事をネットに配信したのだが、写真は完全に読売に負けた。これは相当悔しい。まあしかし、記事はスピードが命。速さは完勝したし、記者はカメラマンではない。これは負け惜しみか。