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2017/04/28(金) 09:46

東急不動産 「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」一部完成

投稿者:  牧田司

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「グランクレール世田谷中町」エントランス

 東急不動産は4月25日、認知症の研究が豊富な英国スターリング大学認知症開発センター(DSDC)のケアデザインを取り入れた「世代循環型」の街づくり「世田谷中町プロジ ェクト」の「ケアレジデンス」が完成したのに伴うDSDCプレスセミナー・内覧会を行った。

 DSDC のケアデザインとは、「転倒の危険性や、ストレス、興奮、混乱、不穏、見識障害など本人が不安や混乱する状態を減らすもの」で、これまでの事例から①廊下での転倒が71%減少②体重減の割合が13%から3%に改善③暴力行為が60%減少④薬による鎮静行為が週20 回から週1回に減少⑤スタッフが居住者と質の高い時間を過ごせるようになった⑥トイレを探すのに手助けが必要だった人が自立してトイレにいけるようになった-などが実証されている。

 また、同社は2015 年10 月、順天堂大学と「包括的連携協力」の協定を締結し、「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の予防に向けたプログラムを導入している。

 「世田谷中町プロジェクト」は、東急田園都市線桜新町・用賀駅から徒歩15分、世田谷区中町五丁目に位置するNTT社宅跡地で開発中の全252戸の定期借地権付きマンション「ブランズシティ世田谷中町」と、「シニアレジデンス」(176戸)と「 ケアレジデンス」(75戸)からなる「グランクレール世田谷中町」(251戸)との複合開発。マンションの一部を除き建物は竣工済み。

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◇       ◆     ◇

 記者は他の取材があり、駆け付けたときセミナーは終わっており、内覧会も予定時間いっぱいだった。関係者の好意でケアレジデンスを案内してもらった。

 たくさん驚いたことがあったのだが、分譲マンションにも採用できる商品企画があった。

 一つは、居室の床は直貼りなのだが、二重床とほとんど同じ機能を発揮する永代産業の「セーフケアダイレクト」を採用していた。床がまったくふかふかしない。

 もう一つは、内廊下の居室の玄関ドアの位置をずらすことでお見合いを避けていることだ。

 地域包括ケアの拠点となる「ナースケア・リビング世田谷中町」のキッチンには、事故防止のため訪朝入れなど収納はマグレットを使用しないと開けられないようになっていた。これもスグレモノだ。

 そして何より素晴らしいのが植栽計画だ。歩道には既存樹の見事なサクラが植わり、差し渡し1mはありそうなケヤキも植わっている。総延長100mの緑の遊歩道も分譲マンションエリアに設置されている。

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舗道

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 昨年9月、分譲マンションのモデルルームを見学したとき「東急不動産の記念碑的マンション」と書いた。間違っていなかったことを見学して確認した。

 街づくり、ユニバーサルデザイン、環境共生、シニア住宅分野で同社は先駆的な役割を果たしてきた。今回のプロジェクトには消化できないくらいの様々な取り組みが行われている。

 一つ腑に落ちないのは、分譲マンションの販売進捗がいま一つであることだ。これまで100戸を供給して契約済みは80戸。今夏までに全戸が完成する。

 坪単価308万円はやや高い気がしないではないが、定借がネックになっているとは思わない。圧倒的な緑の量と認可保育所、子どもの無料遠隔医療相談、シャトルバス、多世代交流拠点、買い取り保証などをアピールできれば販売スピードは飛躍的に高まるはずだ。

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「ブランズシティ世田谷中町」

東急不動産の記念碑的マンション 定借「ブランズシティ世田谷中町」は坪308万円(2016/89/3)トルは佐倉

 

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