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2017/04/29(土) 13:04

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その3(旗振り役)

投稿者:  牧田司

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名取市美田園第一仮設住宅で南越谷阿波踊りを披露する慰問団

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ナビゲーターを務めるpo連連長の土屋氏

「わたしがあなただったら」土屋氏

 前日(4月22日)に語り部などから閖上地区の被災状況と復興の現状などを学んだ名取市美田園第一仮設住宅阿波踊り慰問団は市内のコンテナホテルに宿泊。この日(23日)早朝7時から活動を開始。ゆりあげ港朝市で1回、仮設住宅で2回、南越谷阿波踊りを披露。やんやの喝さいを浴びた。 

 仮設住宅の自治会長・高橋義夫さん(75)は、「仮設は4.5畳が2つとキッチン、バス、トイレで9坪。費用は300万円。追加工事だけでその倍はかかっている。良心的な住宅を建てていただいたが、まだまだ足りないものがある。安心・安全して暮らせる環境をつくるのが私の役割。ここ(集会所)にくれば余計なことを考えなくて済み、しゃべる人がいない時間を少なくする努力をしてきた。

 この仮設住宅は来年5月で廃止になることが決まっているが、新しい住居ができたら復興が完了したことにはならない。住宅は抽選だからコミュニティがなくなっちゃう。人と人の関係が希薄になるのを危惧している。行政には被災者の声が届かないもどかしさがある」と語った。

 当初128世帯270名だった仮設は現在、75世帯150名だという。

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高橋氏

◇       ◆     ◇

 東日本大震災が起きたとき、土屋氏は39歳。連日報道される震災の惨状を見て「この図体、がれき処理ならできるか」と会社を辞めることも本気で考えていた。体重は120キロ。体力に自信はあった。

 ちょうどそんなとき、木住協から仮設住宅建設の話が同社に持ち込まれた。2011年3月18日だった。そこから土屋氏の奮闘が始まる。4月2日、現場監督として現地に入った。惨状に声を失った。現地に泊まる施設はなく、松島のホテルに宿泊しながら県との打ち合わせなどを行った。実質的に3日間でプランを決めた。128戸を4月12日に着工、5月7日に完成した。県の検査などを経て5月下旬に入居が始まった。

 建物が完成後、寒さ対策、風除室の追加、風呂の追い炊き機能追加、結露対策など数回の追加工事を施した。

 その都度、被災者が仮設に籠り話をしないのに心を痛めた。元気になってほしいという気持ちを込めて車中に置いてあった南越谷阿波踊りの記念誌を2冊集会室に置いた。家族4人を失くした仮設住宅の自治会会長・高橋義夫氏(当時69歳)は「ここでやったらどうか」と声を掛けてくれたのがきっかけで慰問阿波踊りの実施が決まった。2012年だった。

 「あの時からこれまで通算すると1年半くらいは現地。わたしの第2の故郷となった」

 被災地を何とかしたい-この強い思い入れが土屋氏を突き動かしてきた。そして、仮設住宅の建設と完成後の追加工事を通じてすべての入居者と顔なじみになり、建設事業者-被災者の壁を取り払うだけでなく、そのエネルギーを〝絆〟に転化・昇華させた。

 「〝わたしがあなただったら〟-新海監督が閖上で被災者のことを考え『君の名は。』を創作したように、被災を風化させないヒントがここにある」と土屋氏は話した。

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ゆりあげ港朝市会場で

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黒山の人を前に商品をさばく櫻井氏

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記者も買ったひと山500円のホヤと6個210円の生カキ

◇       ◆     ◇

 阿波踊りの美しさについてはいうまでもないことだが、おさらいの意味で高円寺と南越谷でそれぞれ約15年間、阿波踊りを見続けている記者の私見も含めて少し触れたい。

 何が美しいかといえば、やはり女踊りだ。どんな醜女、太女(失礼、一般論として言っている)でもいざ女踊り姿になるととびっきりの八方美人に変身できる。浴衣の色は赤、黄、青、黒、白が基調。食事の基本色とほぼ同じだ。

 その最大の効果を発揮するのは編み笠だ。半円形だが、後方部分を高くしてかぶるためそれだけで身長は20㎝くらい高く見え、顔の表情は見えなくなる。編み笠なので完全に光を遮断するのではなく、外灯や月明りをわずかに透す。そして、地面からの照り返しや篝火、つまりアッパーライトで丸いあごの線を浮かび上がらせ、団子鼻も高い鼻に見せる。

 後ろ姿がまた美しい。和服は本来きっちりと襟を締め帯で結びつけるが、女踊りの浴衣は後方の襟を下げ、花魁とおなじように白いうなじを見せるように着る。生え際のおくれ毛がたまらなく美しい。〝小股が切れ上がった〟という言葉の意味は諸説があるが、本来はこの女性のうなじの美しさを形容した言葉だ。そもそも日本の女性は西洋のように首筋を際立たせる風習がなかったことを考えれば、〝小股〟は下半身のことでないことが容易に理解できる。

 そしてまた、何よりも美しいのがニワトリかガチョウ(この形容には異論がありそう)のように足を跳ねるごとに覗く白いふくらはぎと浴衣裏地の赤やピンクの裾のコントラストだ。このチラリズムが男心を誘う。

 男踊りは女性を美しく見せる添え物に過ぎない。あくまでもわき役、道化でしかない。(これまた失礼。道化に徹することほど難しい芸ははいと記者も思う)

 鳴り物はどうか。基本的には2拍子で動きが乏しいので易しそうだが、これがまた難しい。鉦叩きはオーケストラでいえば指揮者。連員を自由自在に操り、観衆を興奮のるつぼに引き込む役割を担っている。その鉦や太鼓の重さは数キロもある。体力がないと務まらない。

 三味線や笛は簡単だろうと思っていたがそうではない。みんな師匠の技を見よう見まねで習得する。とくに笛は1時間くらい息を吐き続ける。とてもつらいそうだ。

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久米の仙人も陣痛力をなくしたチラリズム(折からの浜風も応援した)

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観衆と一体となる踊り子

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ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その4(フォトページ)(2017/4/29)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)(2017/4/28)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その1(死の街)(2017/2/27)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その2(語り部)(2017/4/28)

ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り その1(死の街)(2017/2/27)

 

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