東京建物と東京建物シニアライフサポートは5月19日、東京都公営企業用地を活用した福祉インフラ整備事業第1号案件のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)「グレイプス用賀」をオープンした。公募により交通局所有の土地を借り受けて施設の整備を行った事業。地域包括ケアシステムの拠点としての役割も担い、保育所と看護小規模多機能型居宅介護事業所が併設されている。
特徴は、①多世代の福祉支援の拠点となる多様な施設を整備②自立から軽介護の人向けの「レジデンスフロア」と認知症など見守り支援が必要な人向けの「ケアフロア」が選択できる③「ケアフロア」は24時間体制でスタッフが見守るなど「コンシェルジュ」サービス-など。
物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩7分、世田谷区用賀三丁目に位置する6階建て120戸。専用面積は28.02~73.16(1R 54戸、1LDK 37戸、2LDK 29戸)。月額賃料は142,870~428,250円、月額管理費は39,850円(1人入居)・59,350円(2人入居)。レジデンスフロアの基本サービスは38,880円(1人入居)・66,960円(2人入居)、ケアフロアの基本・見守りサービス費は98,280円(1人入居)・164,160円(2人入居)。食材費は朝食:324円・昼食:540円・夕食:702円・3食30日分:46,980円。
共用部はフロント・ラウンジ・ダイニング・プライベートダイニング・テラス・厨房・シアタールーム・リラクゼーションルーム・娯楽室・多目的室・応接室・相談室・屋上テラス・コミュニティラウンジ・共同浴室・機械浴室など。
管理運営は東京建物シニアライフサポート。医療連携は医療法人社団はなまる会・やさしい手。施工はフジタ。
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同社がサ高住の第一弾「グレイプス浅草」を竣工させたのが2009年12月。以来、16物件1,271戸(計画中含む)まで増やし、グループの有料老人ホームも4物件215戸(計画中含む)運営している。着々と地歩を固めている印象を受けた。同社は高齢者向け住宅事業の拡大・サービス強化のため、介護人材派遣会社のケアライクの全株を4月1日付で取得している。
今回の物件は、東急不動産が先に竣工させた「グランクレール世田谷中町」と競合しているのではないかと聞いたら、「ほとんど競合はない。数千万円の支払いが必要な一時金払い方式と異なり、月額方式のほうがハードルが低いと考えていらっしゃる方が多い」とのことで、オープン時までに30戸の契約を済ませているようだ。