魚に例えればやはりめでタイか。刺身でも焼いても煮てもおいしく愛でても美しい、料理のし甲斐、記事の書き甲斐のある取材ができた。5月29日行われた全国低層住宅労務安全協議会(低住協)の「じゅうたく小町部会」一周年記念式典だ。参加者約160名のうち約60名が女性会員で、約20基のお祝いの花輪が会場を華やいだ雰囲気で包んだ。
低住協は、ハウスメーカー、専門工事店、安全関連機材など約60社が参加し、労災防止や労務管理の改善などに取り組んでいる団体で、「じゆうたく小町」はその下部組織。日本建設業連合会(日建連)が推進する「けんせつ小町」と連携して①建設現場の環境整備②技術者としての勤続促進と支援③育児と仕事の両立支援-などに取り組んでいるハウスメーカーの女性技術者・技能者集団。現在、9社70名が参加している。
本題に入る前に、まずは建設現場の仮設トイレについて。
先週末、東急不動産「パークフロント日比谷」の竣工見学会で女子トイレに女優ミラーなるものが備えられているのを見た。調光機能付きの光と鏡で〝夜の女〟に変身するための設備だそうだ。
中身を磨くほうが大事だとは思ったが、女性にとってトイレはものすごく重要なのも理解できる。国交省が協議会を設立して検討を開始したし、明大の人気が劇的にアップしたのもトイレをきれいにしたからだとまことしやかに伝えられている。
にもかかわらず建設現場の仮設トイレは男性の記者ですら入りたくない。小はともかく大はかがまなければならない。女性が入りたくないと思うのは当然だ。昨年、じゅうたく小町の会合を取材したとき、仮設トイレを利用せずコンビニに行くという人の話を聞いてびっくりしたのだが、今回の式典でも仮設を利用しない人がたくさんいた。
パネルディスカッションのパネラーの一人は「若いとき(今でも若いが)利用したが、職人さんの気配が気になった。カギも不安で、ドアに背中を付けなければならなかった。それ以来、2度と利用しないと決めた」と語った。
ゼネコンもハウスメーカーも女性用トイレ環境を整えるべきだと思う。いい商品も開発されている。施主が事情を話せば隣近所で借りることもできるのではないか。
女性輝けないトイレ 「利用しない」公園90%、駅38%、職場30% 国交省アンケート(2017/1/21)
労働環境改善活動にエール 全国低住協「じゅうたく小町部会」に参加して(2016/11/26)