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2017/07/19(水) 07:59

「原点に戻り買いやすいマンションを」 長谷工・岡田常務 不動産広報研の記者懇

投稿者:  牧田司

 

 大手不動産9社で構成される不動産広報研究会は7月18日、恒例の記者懇親会を開き、幹事会社の長谷工コーポレーション広報担当の常務執行役員・岡田裕氏が「マンション価格の上昇で若年層が取得しづらい環境にあるが、原点に戻って買いやすいマンションづくりに取り組もう」と呼びかけた。

 同研究会の記者懇親会は今回が10回目。冒頭、あいさつに立った岡田氏は「このような会合はゼネコンにはない。お互い競合はしているが仲がいい証拠」と語りだし「私の話したいのは3つ」として、①マンション市場②10年ごとに起きる金融危機③企業の社会的貢献-についてわかりやすく呼びかけた。

 マンション市場については、価格が上がりすぎて供給量が減り、プレーヤーが激減していることを紹介しながら「都心物件や郊外の駅近物件がけん引し、購入マインドは上がっている」と分析。

 金融危機については、1987年の世界同時株安、1997年のアジアの経済危機、2007年のサブブライムローン危機など「7」のつく年は注視しなければならないと注意を喚起した。

 そして、企業の社会的貢献については、同社はトヨタと同じ創業80周年を迎えることを引き合いに出し、「トヨタの関係者と話したが、トヨタが社会に一番貢献したのはセルシオやレクサスなどの高級車ではなく庶民の足になったカローラ。当社もかつて〝コンバス〟を開発した。トヨタと一緒。もう一度原点に戻って若年層が買えるマンションの開発に取り組んでいく」と話した。

 同研究会は、同社をはじめ住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、 三井不動産、三菱地所、森ビルの広報担当で構成されている。毎年この時期、メディア関係者との懇親会を行っている。

◇       ◆     ◇

 岡田氏がとっくの昔にお蔵入りしたものとばかり思っていたコンバスに言及したのにびっくりした。長谷工コーポレーション元専務のトータルブレイン・久光龍彦氏が1カ月前に話したのと同じだった。

 確かに、最近供給されているマンションの間取りは30年も昔のコンバスそっくりで、何とか価格を抑制しようと〝長谷工詣で〟を行っているデベロッパーの姿を浮き彫りにしている。

 それにしても、話題を3つに絞り、ゆったりした岡田氏の語り口はあいさつの見本といえる見事なものだった。参加者は百数十人はいたはずだが、この時だけはしわぶき一つ聞こえなかった。

「お蔵入りしたコンバスが亡霊のようによみがえった」 トータルブレイン久光社長(2017/6/7)

 

 

 

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