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2017/09/25(月) 18:07

アキュラホーム 第20回木造耐力壁ジャパンカップで総合優勝 大会はいったん幕

投稿者:  牧田司

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木造耐力壁「紬~final~」 

 アキュラホームの「チーム匠 (アキュラホームグループ+東京大学木質材料学研究室+篠原商店)」が開発した木造耐力壁「紬~final~」が、9月16日(土)~18日(月)に行われた「第20回木造耐力壁ジャパンカップ」で総合優勝を果たすとともに、文化性・独創性、デザイン性が評価され「デザイン部門賞」も受賞した。

 「紬~final~」は、日本の伝統技法である継手・仕口で行う「設計」、手作業による「加工の技術」、正確に組み立てる「施工の技術」の3つの要素技術を高次元で結実させた耐力壁。金物や接着剤を一切使わず柱・桁・土台には国産針葉樹製材を用い、壁内部も全て国産材で構成されているのが特徴。東京大学木質材料学研究室、篠原商店と共同開発した。主材料は国産桧、赤松、白樫で、最大荷重は43.66kN(大会公式記録)約4.5t(1kN=0.102t)。

 同社は、「出場耐力壁の多くが強度を高めるために、ビスやボルトなどの金物を多用する中、あえて金物を一切使用しない耐力壁で総合優勝できたのは、東京大学木質材料学研究室(稲山教授)による、金物を使用せず初期剛性と終局耐力の両面で高耐力を引き出すことを目指したバランスのとれた設計、篠原商店による材料調達と全て職人の手による高度な加工技術、そしてアキュラホーム熟練大工たちによる寸分たがわぬ正確さで組み立てる施工技術」としている。

 木造耐力壁ジャパンカップは、阪神大震災後の平成10年、木造住宅の構造耐力向上、伝統工法の継承を目的として「NPO法人 木の建築フォラム」が主催しスタートした大会。大会はトーナメント戦を勝ち抜いたもっとも強度の高い耐力壁に贈られるトーナメント優勝と、強さ(耐震評点)に加えて環境負荷費、デザイン評点、材料費、加工費、施工費など総合的に優れた耐力壁に贈られる総合優勝(ジャパンカップ)の2つのタイトルがある。毎年、大学、専門学校、住宅関連企業、設計事務所などが参加している。

 今年は静岡県富士宮市の日本建築専門学校で開催され、13体の耐力壁が出場した。トーナメント戦はポラス暮し科学研究所の「SHINMEI」が優勝した。

 大会事務局によると、20年の節目の今回で大会は終了し、装いを新たにして再開するという。

◇       ◆     ◇

 この木造耐力壁ジャパンカップを10回近く取材してきた。素人には理解し辛いことがたくさんあるが、毎回、楽しませてもらった。今回は別の取材が入っており残念ながら取材できなかった。主催者や稲山正弘教授にこれまでの成果や課題、今後の予定などについて聞きたかったが、機会があればまた紹介したい。

 私見を言わせていただければ、競技の前提条件を明確にし、あとは創意工夫に任せて結果を問うのか、それともレギュレーションを取っ払って強いか、美しいか、安いかなどの総合力を競うようにしたらわかりやすいと思う。

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左から篠原商店・糸井剛夫、大工・並木隆明、東京大学大学院木質材料学研究室教授・稲山正弘、大工・武原勉、商品開発部課長・田村明、組子職人・和田伊弘の各氏

ポラスグループが準優勝と審査員特別賞 第19回木造耐力壁ジャパンカップ(2016/9/22)

 

 

 

 

 

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