2階主寝室の「アウターリビング」
9月11日付当欄でポラスグループ中央住宅の「マインドスクェア南大泉Ⅰ」の敷地延長住宅を紹介したが、今回は同じ分譲地内の2階「アウターリビング」付き住宅を紹介する。
西武新宿線武蔵関駅より徒歩14分、練馬区南大泉1丁目に位置する全7棟現場で、「アウターリビング」付き住宅は敷地面積110.11㎡、建物面積103.13㎡、価格6,450万円。
2×4工法より強度が高い2×6工法を採用し、同社の標準仕様である1階天井高2.7m、サッシ2.2m、天然木挽き板フローリング、同社オリジナルのウッドパネルを採用しているのが特徴。
「アウターリビング」はもはや説明するまでもなく一般化している。読んで字のごとく外部空間をリビングに取り込んだプランだ。つまりリビングと一体利用できる空間のことだ。
ところが、中央住宅が「アウターリビング」と呼んでいるのは、2階の南側に配した主寝室(8.9畳大)に約30センチの小上がり部分の広さ2畳大強の空間を設置し、さらにその南側の4畳大のウッドデッキ付きのバルコニーと一体利用できるようにしているものだ。
小上がり部分の天井や壁には同社オリジナルの無垢の「デザインウォール」を採用している。
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これを見てなかなかやるなと思った。リビングと一体のアウターリビングはたくさん見学してきたが、2階の主寝室-小上がり-バルコニーと一体利用できる大空間を演出しているのは初めてだ。
小上がり部分で昼寝をするのも読書をするのも、また趣味の作業場とするのもよい。バルコニーも広いので日向ぼっこをしたりタバコを吸ったりするのにもいい。
問題は、「アウターリビング」などと手垢のついた文言でしか表現できていないことだ。様々な用途に利用できるこの空間を的確に表す言葉を考えるべきだろう。夫婦仲がよくなる〝和合の間〟では古臭いが、とにかくそのような意味を込めたネーミングを考案してほしい。些細なことだが、小上がり部分の天井に物干しポールをつけているのはいかがなものか。夫、又は妻の下着をぶら下げてどうする。せっかくの雰囲気が台無しになる。
もう一つ。せっかくの大空間なのだから、ミニキッチンを設けてはどうか。隣のトイレから水をくむのはためらわれるはずだ。
ついでにもう一つ。同社の戸建てだけではないが、2階のバルコニーに出るには掃き出し窓をまたがなければならない(大和ハウスのxevoΣフラット)。
これは品確法や瑕疵担保保険の施工基準で床から12センチ立上りまで防水面を施すことが求められているからだが、これはバルコニーの床面をそれだけ下げれば解決するはず。
そうすれば階下の天井高に影響を及ぼし、さらにコスト高につながるのを承知の上でフラットにすることを提案したい。ポラスグループはもともと1階リビング天井高2.7mを標準化しているではないか。2階のバルコニーがみんなフラットになったら、居住性がはるかに高まるはずだ。
バルコニーにウッドデッキを敷きサッシとの段差を解消している