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2017/09/30(土) 20:30

素晴らしい! 代々木公園内に特区活用の民設民営「こども園」竣工 ブルースタジオ

投稿者:  牧田司

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「まちのこども園 代々木公園」(撮影:淺川敏氏)

 ブルースタジオは9月29日、同社が設計監理を担当し、ナチュラルスマイルジャパンが運営する国家戦略特区制度を活用した「まちのこども園 代々木公園」が竣工したのに伴う竣工内覧会を行った。建築や保育関係の人など見学を待つ約500名が列をなし賑わった。

 物件は、都市公園法により開発規制が厳しい公園内に国家戦略特区制度を活用して建設された128名定員の「民設民営」保育所型認定こども園施設で、JR原宿駅徒歩4分、渋谷区代々木神園町に位置する敷地面積873.80㎡、延床面積871.23㎡の木造2階建て(在来工法、1時間準耐火構造)。竣工は2017年8月。施工は大和工務店。設計監理はブルースタジオ。

 柱などの構造材は米松だが、建具・家具・仕上げにヒノキ、カラマツ、ヒバなどの国産材を採用。壁には漆喰、1階土間には昔の三和土や大谷石の囲炉裏を設置。木製サッシを多用しているのも特徴。

 メディア向け内覧会で、ナチュラルスマイルジャパン代表取締役・松本理寿輝氏は「今回の施設は5カ所目。地域資源を生かし全体を学びの環境にする思いと、街づくりの拠点になるようコミュニケーションを活発化させ、若い世代とつながりネットワークを構築したいという思いから、渋谷区の公募に応募した」と、プロジェクトの経緯などについて語った。

 ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦氏は、「松本さんとは12~13年のお付き合いだが、具体的な案件を担当するのは初めて。昨年5月、設計監修の依頼があった。スケジュールがタイトなので迷ったが、エース級2人のスタッフを投入して決断した。建築と社会、人間関係の接点をどう設けるか、それをやらないと社会的価値の向上につながらない。代々木は、私の祖父が千駄ヶ谷に住んでいた関係でしょっちゅう遊びに来たことがあり、私を育ててくれた街でもあり、建物は昔の大屋根があり土間がある「明治以前の原宿村の原風景を想起させる農家屋をイメージしモチーフにした。施工も木造建築の老舗。本物に触れていただきたい」と話した。

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松本氏(左)と大島氏

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(撮影:淺川敏氏)

◇      ◆     ◇

 木造の保育・教育施設では、三井ホームの林野庁補助事業の「学校法人富津学園 明澄幼稚園」を見学し感動したことがあるが、今回の施設もまた負けず劣らず素晴らしい-作家の筒井康隆氏が「創作の極意と掟」(講談社)で「いかなる小説であっても絶対に使ってはならぬ形容がひとつ。それは『筆舌に尽しがたい』という形容だ」と仰っている。記者もそんな陳腐な形容をしたくない。「素晴らしい」としか言いようがない。

 1階部分の床から2階吹き抜けの頂点までの高さは約10メートル、仕上げはほとんど本物の無垢材や大谷石、漆喰、サッシも木製だ。

 大和工務店専務取締役・初谷仁氏は「300×770×11メートルの棟木、224×500×12メートルの登り梁は究極のコスト&ビーム」と自賛した。

 内覧会に参加した保育所の建設を計画している経営者は、「スケールと開放感が素晴らしい。明治以前の農家をイメージし、自然とマッチさせたデザインもいい」と絶賛した。

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(撮影:淺川敏氏)

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三井ホーム林野庁の補助事業による2×4工法の幼稚園完成(2014/8/25)

 

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