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2017/10/12(木) 18:23

「環境振動」「施工検証」「耐力壁」などに高い関心 2×4協会「6階建て報告会」

投稿者:  牧田司

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「ツーバイフォー6階建て実験棟プロジェクト報告会」(発明会館ホールで)

 日本ツーバイフォー建築協会は10月12日、「ツーバイフォー6階建て実験棟プロジェクト報告会」を行った。昨年3月、「ツーバイフォー6階建て実験棟」を建設し、その後国立研究開発法人・建築研究所と共同で耐震・耐火構造、施工性などの検証を進めてきており、今回はその成果、課題などを報告するもの。定員200名の会場は関係者らであふれ、関心の高さをうかがわせた。

◇       ◆     ◇

 行儀が悪い記者などメディア関係者をくぎ付けにする意図はなかったのだろうが、案内された席は最前列だった。横見、居眠りしたら失礼だと思い、辛抱して話を聞いた。

 テーマは、「環境振動」「施工検証」「耐力壁の開発」などそれぞれ魅力的なものだった。しかし、これが実に難解。建築に素人の記者などちんぷんかんぷん。

 例えばこうだ。「せっこうボードは3,208枚」「積載重量は1回あたり30枚540キロ」「総施工人工の30%、建物の総重量119トンのうち実に43%がボード」「6階床では、基礎近傍地盤と比べて12.8倍から14.7倍の増幅が発生している」「常時微動記録には数十メートル離れた位置にある道路交通による振動も記録された」「構造的に問題となるレベルとは考えられないが、環境振動レベルでは注意が必要」

 つまり、木造建築物でも外壁は「耐火・防火」基準を満たすために大量のせっこうボードが必要で、職人確保に大変であり、道路交通や家電製品などが発する微音・微震は共振するから注意が必要とのことらしい。

 参加者にも感想を聞いた。ある戸建ての研究開発を行っている人は「内容は言えない。(環境振動はとても興味深いが)実はそれを研究している」と興味を示した。

 別の大手不動産流通会社の方は「欧米と比べ我が国は木造の中層化の流れに大きく立ち遅れている。今後中層化の流れは加速するはず」と木造中層化の進展に注目していた。

 また戸建てメーカーの商品開発担当者は「われわれも耐火・防火エリアでの住宅・非住宅の拡大を狙っている。せっこうボードの問題は考えないといけない。報告会は、構造担当の建築士でもよくわからない人が多いのではないか」と話した。

 記者の持論である「木造は現しが美しい。耐火・防火の基準を緩和すべき」と質問したが、参加者は「現しはいいが、法律は守らないといけない」と規制緩和には同意しなかった。

CLTとツーバイフォー6階建て実験棟が完成(2016/4/7)

 

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