三菱地所レジデンスは10月23日、日本最高階数60階建て、高さ208.97mの「ザ・パークハウス西新宿タワー60」が完成したのに伴い竣工見学会を行った。
同マンションは、東京メトロ丸の内線西新宿駅から徒歩9分、新宿区西新宿5丁目に位置する「西新宿五丁目中央北地区第一種市街地再開発事業で。60階建て全953戸(分譲は777戸)。専有面積は33.90~156.99㎡、価格は3,198万~3億5,000万円。2015年2月から分譲が開始され、年内に全戸が完売した。同社は相鉄不動産、丸紅とともに参加組合員として事業に参画していた。
同社・脇英美社長は、再開発の話が持ち上がってから25年の歳月が経過し、生物多様性や防災、コミュニティ支援の企画がヒットし、圧倒的な人気で早期完売したことなどを受け、「足元のマンション市場は、職住近接、生活利便性、資産性がポイントになるが、都心部も郊外部もお客様目線でしっかり造りこみをすれば評価される。今後もコンパクト、リノベーション、シニア向け、シェアハウスなど多様なニーズに応える商品を供給していく」と話した。
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見学会場に入った途端、美しい本物の木で作られたテーブルに見惚れてしまった。別掲の写真を見ていただきたい。直径4メートルの円卓だが、よく見ればわかるようにスギの板目、柾目のスギ材のピース(小片)を交互に組み合わせた小机(全部で20卓くらいか)を合体させたものだ。椅子25脚分あり、管理組合の理事全員が座れるように造られたのだそうだ。
これだけでもうマンションの企画意図を理解したのだが、案内板表示に従って一通り見て回った。「東京おもちゃ美術館」が監修した2階の約280㎡の「フォレストハウス」、2階の約170㎡のゲスト&パーティルーム、ほとんどが1,000円以下の洋食、ワイン・ウイスキーメニューが用意されている富士山も眺望できる44階の約130㎡のビューラウンジ&バー、44階のマンション1戸分の広さがある和洋室のゲストルームなどだ。
それぞれが素晴らしいものだったが、何よりも感動したのは約1,900㎡の公開空地「結いの森」だった。同社が最近力を入れている「生物多様性」の取り組みの一環として整備したもので、近接する新宿中央公園や新宿十二社、熊野神社、神田川と緑のネットワークを形成する意図が手に取るように伝わってきた。調査によるとカマキリ、コオロギ、バッタ、チョウ、トンボなど20種の生き物が確認できたという。見学したときにもハクセキレイが芝生で虫をついばんでいた。
圧巻は高さ12~13mはありそうなまっすぐに伸びた円錐形のシラカシの高木だった。シラカシは20mくらいまで育つといわれているが、剪定が難しく下手に切ると枝が荒れて修復不可能な形になる。ここのシラカシはそれが全くなかった。並みの職人技ではないと思った。
「結いの森」について説明した同社クオリティ事業部・浅岡友也氏は「生物多様性保全の取り組みはこれまで100件になるが、20種もの鳥や虫の飛来が確認できた。確かな手ごたえを感じた」と話した。
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