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2014/11/07(金) 00:00

ここも唯一無二か わが国最高階数の三菱地所レジ他「ザ・パークハウス西新宿タワー60」

投稿者:  牧田司

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「ザ・パークハウス西新宿タワー60」完成予想図

 三菱地所レジデンス、相鉄不動産、丸紅の3社は11月6日、新宿区西新宿5丁目の再開発タワーマンション「ザ・パークハウス西新宿タワー60」のモデルルーム記者内覧会を行った。関係者は「分譲単価は未定」としているが、今年5月の起工式の段階で予想した「坪単価310~320万円」は大幅に上方修正する。340万円でも安いかもしれない。

 物件は、東京地下鉄丸ノ内線西新宿駅から徒歩9分、都営大江戸線都庁前駅から徒歩8分、新宿区西新宿5丁目に位置する60階建て全954戸(事業協力者住戸177戸含む)。専有面積は33.90~156.99㎡、価格は未定。竣工予定は平成29年7月下旬。施工はフジタ。販売代理は三菱地所レジデンス。販売開始は平成27年1月下旬予定。

 物件の特徴については、別掲の起工式に書いた記事を参照していただきたい。「西新宿5丁目」は老朽化した木造住宅や店舗・ビルなどが密集しており、東京都は「木密地域不燃化10年プロジェクト」の一環として、今回の「西新宿5丁目中央北地区第一種市街地再開発事業」(施行面積約1.5ha)と隣接する「西新宿5丁目北地区」(同1.5ha)、「西新宿5丁目中央南地区」(同0.8ha)を「不燃化推進特定整備地区」に指定し、災害に強い街づくりを進めている。今回分譲されるマンションはコアとなるものだ。

 「ザ・パークハウス西新宿タワー60」の特徴は、現段階でわが国最高階数の60階建て(現在の最高階数マンションは三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉ミッドタウン」の59階)もさることながら、新宿中央公園と連続する約1.900㎡の公開空地「結いの森」を整備し、居住者間のコミュニティ形成の施設として国産材をふんだんに用いた交流スペース「ENGAWA(エンガワ)」を設置、さらに自然、防災・減災、多様性の3つのコンセプトを軸にコミュニティ支援プログラム「CLASS 60」を実施するなど、森とコミュニティも大きなテーマとなっている。

 住戸は幅広いニーズに対応し、70㎡台を中心に33㎡台のワンルームから、最高3億5,000万円台(156㎡)の億ションまで供給する。建物は制震構法を採用している。

 内覧会の冒頭挨拶した三菱地所レジデンス社長・小野真路氏は、アベノミクスや為替相場などについて触れた後、「新宿は、世界的には赤坂、六本木に劣らないほど有名。これがインバウンドにつながる。いい場所にいい物件を供給することがアベノミクスにもつながる」などと話した。

 また、共用部分の「ENGAWA」を監修した東京おもちゃ美術館館長・多田千尋氏は「スギの学名はクリプトメリア ジャポニカ(Cryptomeria japonica)で日本語に訳すと『隠された日本の宝』。材と匠の技で巨大な縁側を演出する」と熱弁。「ENGAWA」には三菱地所とも縁のある山梨の杉をふんだんに用いた「木育ひろば」などを設ける。

 さらに、コミュニティ形成支援の取り組みを担当するHITOTOWA Inc.代表・荒昌史氏は、「入居前の2015年から入居後の2020年まで6年間にわたり『CLASS 60』を60回開催し、魅力ある街づくりを支援していく」と語った。

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「結いの森」

◇       ◆     ◇

 小野社長のあいさつは相当力が入っていた。外国人の購入も意識してか、台湾ドルやシンガポールドルとわが国の円相場に触れ「我が国は他のアジアと比較して3~4割はディスカウントされている」と述べた。

 多田氏や荒氏も小野社長のお株を奪うほどの熱の込めようだった。話した時間は小野社長を上回ったかもしれない。スギが「隠された日本の宝」とは全然知らなかった(「ヒマラヤスギ」は和訳するとどうなるのか)。

 記者の最大の関心事はいったいいくらで売るかだった。話を聞きながらずっと考えていた。起工式の時には「310~320万円」と予想したが、小野社長や多田氏、荒氏の力の入れようから、これはもっと高くしないといけないと考えた。

 最終的に決断した単価予想は「330~340万円」だ。この単価をはじき出した第一の根拠は3氏が語ったように街の将来性だ。現況は雑多な街だが、このマンションが完成し、さらに「北地区」の約1,000戸マンション計画(住友不動産が参加組合員となる予定)、「中央南地区」の約440戸のマンション計画(三井不動産レジデンシャルが参加組合員となる予定)を考慮すれば、素晴らしい街になると思うからだ。近くには「西新宿3丁目西地区」(8.5ha)の再開発計画もある。

 さらに、これまた関係者が話したように、このあたりのエリアはまだ下町の風情、コミュニティも残っており、歓楽街・新宿のイメージを変える可能性を秘めていることだ。新宿中央公園へ徒歩数分の緑の環境も担保される。この価値は大きい。

 もう一つ、日本最高階数の60階建てというのはそれほど訴求力がないと思っているが、よく考えると「ザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵」と同様、〝唯一無二〟と考えられなくもない。最高価格が3億5,000万円台(坪740万円)というのにはびっくりしたが、これもまたリーマン・ショック前はみんなタワーマンションの最上階はこれくらいの値段がついていた。わが国最高峰だから、坪単価740万円でも顧客満足を満たすかもしれない。59階と60階は特別仕様で分譲戸数は14戸。

 そんなわけで単価予想を上方修正した。59階と60階の単価が全体の単価を押し上げるので、平均するともっと高くなる可能性もある。現段階でモデルルーム来場者は500件を超え、問い合わせは5,000件を突破しているという。

 それにしても、倉庫街や木密地域を再開発する先導役を三菱地所が務め、住友不動産、三井不動産がおいしいところを狙うカラス(これは失礼か)のように高みから見物する様は「中央区晴海」の構図と一緒だ。「地上にはもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」の魯迅の言葉をまた思い出した。地所は魯迅か。

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「木育空間」(モデルルーム)

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モデルルーム(100㎡)

西新宿の日本最高峰60階建て976戸三菱地所レジなど再開発起工式(2014/5/12)

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウスグラン千鳥ケ淵」が即日完売(2013/9/17)

 

 

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