ミサワホームと青木茂建築工房は11月9日、リファイニング建築手法を用いて築36年の専門学校を賃貸マンションに用途変更する「(仮称)富士見2丁目ビル」の解体現場見学会を行った。約250名が参加した。
リファイニング建築は、リフォームやリノベーションと異なり、囲障設備仕様を更新するだけでなく、建物自体の耐震性や耐用年数を大幅に向上させて長寿命化を図る手法。既存の建物の80%を再利用することで、費用を新築の60~70%までに抑えることを目指している。
今回の計画は、老朽化した専門学校の校舎とその土地をミサワホームが取得し、青木茂建築工房が設計・監理を行い、単身者や共働き世帯を対象にした賃貸マンションに用途変更するもの。
再生に当たっては、既存室内階段室を解体し、鉄骨階段とエレベータを新設、バルコニー、自転車駐輪場を増築し、職員室と教室の一部を減築し、エントランスポーチを計画。また、既存建物の外装タイルを撤去し、新規化粧材は塗壁と板金貼りとして軽量化を図る。
既存建物は、千代田区富士見2丁目に位置する4階建て延べ床面積約868㎡の専門学校。再生の事業主はミサワホーム。設計・監理は青木茂建築工房(建築)、木下洋介構造設計室(構造)、設備計画(設備)。施工は大末建設。竣工は2018年2月の予定。再生後は専用面積28.12~57.55㎡の賃貸住宅16戸となる。
両者は、リファイニング建築を通じて安全で質の高いストック資産の形成に取り組むことで2015年に業務提携。渋谷区の築50年を超える職員住宅を賃貸住宅に再生する「初台」の案件に続き2件目。
青木茂氏は「今回は学校から賃貸住宅への用途変更で、既存建物は大スパンでコンクリートの中性化もそれほど進んでおらず、比較的容易な案件」と語った。
三井不&青木茂建築工房 築52年の市場性ない共同住宅をリファイニングで再生(2017/10/16)