公益社団法人企業メセナ協議会は11月28日、芸術・文化の振興に貢献した企業・企業財団・団体などを顕彰する「メセナアワード2017」の贈呈式を行った。
メセナ大賞を受賞した三菱地所「三菱地所のShall We コンサート(出張コンサート)」は同社・吉田淳一社長が、「アートの玄関賞」を受賞したアーバネットコーポレーション「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション」は同社・服部信治社長が、「街が踊る賞」を受賞したポラス「南越谷阿波踊り」は同社・中内晃次郎代表がそれぞれ出席。受賞の喜びを語った。
このほか、「しまんちゅ心と技賞」の沖縄タイムス社「沖縄タイムス伝統芸能選考会・選抜芸能祭」は同社・上原徹専務が、「地域光らせ賞」のジェイティービー「JTB 交流文化賞」は同社・大谷恭久常務が、「プラッと音楽賞」の東日本鉄道文化財団「駅コンサートの開催」は同財団・清野智理事長が、文化庁長官賞の富士ゼロックス「文化伝承活動」は同社・吉江則子CSR部部長がそれぞれ出席した。
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受賞については、添付した記事を読んでいただきたい。デベロッパー、ハウスメーカー3社が一度に受賞するのは初めてのことで、こんな嬉しいことはない。
CSR担当役員を務めていた三菱地所の吉田社長は、「街づくりを通じて社会に貢献するのが当社グループの使命。文化・芸術は国力を増す源泉。これからもグループ一丸となって文化・芸術を取り込み深めダイナミックに展開していく」と決意を語った。
服部社長は、彫刻家を目指し大学を入学する学生のうち卒業して正業につけるのは100人に1人いるかどうかの厳しい現実に心を痛め、何とかしようと企画を考えたことを紹介。リーマンショックのときは賞金を半額にし、審査員にも手弁当で応援してもらったことに感謝の言葉を述べた。
「南越谷阿波踊り」は今年で33回目。中内代表は「今後もより一層地域社会に貢献する」と宣言した。創業社長で阿波踊りの提唱者・故中内俊三氏から「会社が潰れても阿波踊りだけは残せ」と言われたことを語る場面では言葉を詰まらせた。
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ホールの端っこで取材していたとき、逆の端っこの通路を歩く和服姿の女性に目を奪われた。近眼・老眼・乱視の記者はよく見えないのだが、その得も言われぬ美しい帯が〝わたしを見逃さないで〟と呼び掛けてきた。
大変失礼だとは思ったが、贈呈式が終わってから、その女性に声を掛けた。もらった名刺には「大日本印刷ICC本部ミュージアムラボ推進室室長 飯田直子」とあるではないか。〝まさか印刷ではないでしょうね〟と出掛かった言葉を飲み込み、「西陣織ですよね」と訊ねたらその通りだった。叔母さんからもらった帯で、値段は本人もわからないそうだ。
写真を撮り記事にさせていただくよう拝み倒し、了解を得たので紹介する。飯田氏はメセナ協議会の顕彰部会部会長を務めている。大変失礼しました。住宅・不動産業界のメセナ活動をよろしくお願いいたします。