「プレミスト有明ガーデン」
大和ハウス工業は3月16日、臨海副都心の都市型住宅ゾーンとして計画されている有明北地区に位置するマンション「プレミスト有明ガーデン」の報道陣向け内覧会を行い、モデルルームを3月17日にオープンすると発表した。
物件は、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)有明テニスの森駅から徒歩2分、江東区有明一丁目に位置する15階建て全258戸。専有面積は55.90~82.60㎡、予定最多価格帯は6,500万円台~7,500万円台、坪単価は320~330万円台。竣工予定は2020年3月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は三井不動産レジデンシャル。分譲開始は6月中旬。
現地は、東京都の「有明アリーナ」を核とした「有明レガシーエリア」として位置づけられているエリアの一角で、住友不動産が建設を進めているマンション1,539戸の「シティタワーズ東京ベイ」をはじめ都内最大級の約10.7haの商業・住宅複合開発プロジェクトに近接。
ほぼ四角形の敷地面積約6,213㎡に板状型の建物をV字形に配し、文節設計とすることで趣を持たせ、敷地南側と中庭に設けた大きな庭をコミュニティ共用施設でつなぐ設計にしているのが特徴。V字形建物の結節点に壁面緑化を施し、3層ごとにオープンスペースを設けている。
デザイン監修に光井純氏を起用し、世界で活躍するデンマークの著名なクリエーターを起用し、デンマークのライフ スタイル「Hygge(ヒュッゲ)」の考え方を取り入れた心地良いつ ながりを生む、空間やインテリアを提案している。
内覧会で同社東京本店マンション事業部第二事業部事業部長・永井壮氏は「湾岸エリアにはタワーマンションが多く、非日常をテーマとしたスペックありきの物件が多いが、板状型として『コト』をテーマにして新しいライフスタイル、暮らし方を提案する」と話した。
「つなぐラウンジ」
アクティブガーデン(左)とリラックスガーデン
◇ ◆ ◇
内覧会が終わる直前まで、見出しは〝大和ハウスと三井不動産レジデンシャルがダッグを組んで住友不動産に挑戦状 湾岸戦争激化〟にしようと考えていた。販売代理は長谷工グループの長谷工アーベストではなく、湾岸で住友と競合している三井であることや、三井のマンションを多数手がけている光井純氏を起用していること、ひょっとしたら坪単価は350万円くらいになるのではないかという情報が耳に入ったからだ。(光井氏の起用実績は大和ハウスもあるが)
単価が350万円になったら、好戦的姿勢を強める一方の世界情勢にふさわしいお互いがっぷり四つの激戦になるのは必至で、傍観者としての記者にとっては願ってもいない消耗戦に発展すると読んだ。
しかし、〝湾岸戦争〟などと手垢にまみれた陳腐化した見出しをまたつけていいのか、お前はどっちの味方だ、軽挙妄動を慎めとささやくもう一方のわたしがいた。
核か(どうしてパソコンは勝手に「核」に変換するのか。先に「湾岸戦争)などと書いたためか)書かないか、踏ん切りがつかないまま帰ろうとしたとき、「戦争ではない。むしろ『回避』。差別化を図り独自性を発揮する」と、同社の長川勇気氏がつぶやいた。名刺をもう一度確認した。確かに「勇気」と書かれていた。
この「勇気」に迷いは消えた。見出しは「大和ハウスと三井不動産レジデンシャルがダッグを組んで湾岸戦争回避〟に決めた。
坪単価は住友を上回らないことを確認できた。価格を抑え、タワーマンションを嫌う需要層に訴え、家族のゆったりした生活に価値を認めるデンマークの〝Hygge(ヒュッゲ)〟というワードに思いを込めたマンションだと理解した。
販売事務所やモデルルームのつくりもよくできている。ナチュラルな無垢材を思わせる面材・建具を多用しているのは支持を得られるはずだ。観葉植物に本物を使用しているのもいい。ただ、販売事務所のフェイクは本物にしてほしかった。積水ハウスの「品川シーサイド」を見ていただきたい。
モデルルーム 玄関正面の緑はドライフラワー
販売事務所 デンマークのデザイナーがコーディネート
一部はフェイク
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〝Hygge(ヒュッゲ)〟をはじめとする北欧のデザインが流行している。ここ数カ月でもタカラレーベン、三井ホーム、三菱地所ホーム、ポラス、大和ハウス工業などのマンションや戸建てで見学している。
これに異論はない。しかし、こうも各社が採用しだすとやや食傷気味だ。いっそのこと8,000万部以上を売り上げたスウェーデンを舞台にした小説「ミレニアム」にあやかり、同社のマンションブランド「プレミスト」、さらには「ミレニアル」「プレミアム」なども加えて気の利いた造語はないのか。
ゲストルーム
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