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2018/03/17(土) 22:45

〝楽しかった そだねー〟 ポラス+大妻女子大ら「オランジェの春の運動会」に160名

投稿者:  牧田司

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「オランジェの春の運動会」

 ポラスグループの中央住宅は3月17日、NPO法人越谷市住まい・まちづくりセンター、同集住グリーンネットワーク、大妻女子大学環境教育学研究室(甲野毅准教授ゼミ)と連携して松戸市新松戸で「オランジェの春の運動会」を開催。49世帯約160名が参加した。参加者は「楽しかった」と口々に感想を語った。

 「オランジェ新松戸」は、松戸市の小学校、中学校跡地の有効活用事業として公募型プロポーザルで選定された街で、「小学校跡地」は若い世代を呼び込む街として38戸が、「中学校跡地」は永住をテーマにした街として61戸の合計99戸がそれぞれ2016年に分譲された。入居後も街のコミュニティを育むためにワークショップをそれぞれの分譲地で開催してきたが、NPOや同研究室の提案を受け、双方のコミュニティを醸成するのに運動会がもっともふさわしいとして実施するもの。

 この日は、「中学校跡地」の松戸市民交流会館グラウンドに集まり、ラジオ体操から父母も参加するクイズや玉入れ、綱引き、お父さんリレーなどを行った。

 「オランジェ新松戸」は分譲時に取材している。その記事を参照していただきたい。ランドスケープデザインが優れ、戸建てプランもよくできており、無垢材をふんだんに用いた内装が際立っていた。

 あれから3年。東京でサクラの開花が宣言されたとはいえ、まだ肌寒いこの日に全99世帯のうち半数に達する49世帯が参加するなど信じられない多さだった。

 関係者の努力に頭が下がるが、それぞれの居住者が自主的に運動会を選択したことに価値があると思う。秋にも景観木の剪定を兼ねたイベントを行う予定だという。

 甲野ゼミは同社の蔵を生かした越谷市の街づくりに関わった縁から今回の企画に参画。甲野氏は「地域環境、社会環境を学び持続可能な社会を実現するための企て、問題提起をするのが目的」と話した。

 参加したゼミ生は3年生の12名。「初めて経験したので最初は戸惑いもあったが、とても楽しかった」「私の住むマンションにはこのような活動はない」「こういう街なら住んでもいいかも」などと話した。

 (皆さんは役者だ。進行役の方は「初めて」だったようだが、ラジオ体操では片手にマイクを握り、「あれ、次何だっけ」と間違って見せ、綱引きでは1歳の子どもを抱えた女性も加わるほどの盛り上がりを演出した。どこかで聞いたような声だと思ったら、あの北海道北見市のカーリング女子そのものだった。「みなさんは北見市出身」と聞いたら「多くは埼玉県」だそうで、図に乗って「そだねー」を連発していた。座学では絶対学べない多くのものを学んだのは間違いない)

 同大学はてっきりわが多摩ニュータウンにあるものだと思っていたが、マンションの坪単価が700万円を突破する千代田区三番町の一等地に千代田キャンパスがあることをすっかり忘れていた。甲野ゼミも千代田キャンパスにある。 

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ラジオ体操

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玉入れ

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綱引き

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甲野ゼミの皆さん(前列右端が甲野氏)

◇       ◆     ◇

 記事の本旨は「オランジェ春の運動会」だが、以下の坂川放水路の土手に咲いていた雑草の名前もぜひ覚えていただきたい。

 左は、書くのもはばかられる「オオイヌノフグリ」、右は記者も知らなかった「ハキダメギク」だそうだ。

 オオイヌノフグリは、この時期、どの雑草より早く芽を出し春を告げ。花はマメ粒しかなく、花芯は白く外周に向かって淡いコバルトブルーの色に変わる。1日でしぼむ、実に可憐な花だ。

 なのにどうしてこんな可哀そうな名前が付けられたのか。種子が犬の〇〇〇に似ているからだそうだが、まあ、言われてみるとそうかもしれない。

 ハキダメギクは、最初見たときヨモギだと思った。わが多摩センターのヨモギとはやや姿かたちが異なっていたが、松戸の固有種だろうと勝手に解釈して、茎を摘んで参加者に教えてやった。「俺はこれでヨモギ餅を作ったんだ」と。

 ところが、ポラスの広報マンが「これはヨモギじゃない。タンポポの種類だ」と異議を唱えた。

 たまには正鵠を得る鋭い指摘をするこの広報マンの指摘に記者の自信が崩れた。噛んでみた。確かにあの独特の香味はなかった。そこで、いかにも田舎育ちと思える近くにいたおじさんに聞いた。「そう、これはヨモギと仲間のキク科。ハキダメギク。食べられる? 食べないほうがいい」「えっ」すぐ吐き出した。

 それから数時間。いま、腹痛も神経マヒも起こっていないので、無害なのだろう。トリカブトの仲間でないのは間違いない。

 ネットで調べた。「植物学者の牧野富太郎氏が、世田谷の経堂の掃きだめでこの花を見つけ、『掃きだめ菊』と名づけた。チッ素分の多いごみ捨て場や、空き地、道ばたなどに生える」とあった。チッ素と言えば水俣病だ。「食べないほうがいい」といったおじさんは造園が本職のNPO関係者だった。年齢は70歳。さすがだ。名前を聞いたが、教えてくれなかった。残念。

 傍にいた美しい女性は奥さんで、「雑草には詳しくない」と言いながら「ルリカラクサのよう」とのたもうた。これもネットで調べた。奥さんが言ったのは「オオイヌノフグリ」の別名で、はしたない言葉を口にしたくなかったのだろう。「ルリ」は「瑠璃」に違いない。

 松戸の子どもたちよ、街に出よう。野原には記者のような感性豊かな人間に育ててくれる自然がある。毎日新しい発見がある。

 そして考えてほしい。どうしてあの可憐な花に「〇〇〇」などと汚らわしい名前を付けたのか、牧野富太郎ともあろうものがハキダメギクなどと可哀そうな名前を付けたのか-記者は「〇〇〇」を見るにつけ、人間の想像力、表現力の貧しさを思い知らされる。

 よく見ると、ハキダメギクは確かに若葉にしては乙女のような恥じらいも溌溂さもない、くすんだ色をしている。これも考えてみれば、犬の〇〇〇と共生し、なおかつ牛馬に食いちぎられないようまずそうな色形になる自己防衛策かもしれない。 

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オオイヌノフグリ(左)とハキダメギク

ポラス 景観、コミュニティ重視の松戸「オレンジプロジェクト99」街開き(2015/6/16)

 

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