コスモスイニシアのアパートメントホテルが順調なスタートを切った。高木嘉幸社長が5月16日行った2018年3月期決算説明会で「想定通りのスタート」であることを明らかにした。
高木社長は、今年2月にオープンした「MIMARU東京上野NORTH」の状況について、稼働率は初月(2月)が72%、3月が83%、4月が89%で、平均客室単価(ADR)は2.9~3.1万円、1室あたりの宿泊客は4.2名、宿泊日数は2.5~2.6日、宿泊客の国籍は台湾が4割弱、香港が十数パーセントで、その他はタイ、日本、アメリカ、オーストラリアなどで、当初想定していた通りと語った。
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この数字がどのような意味をなすのか、記者は判断する材料を持ち合わせていないし、この種のホテルはこれまでなかったので、ホテル関係者もよくわからないのではないか。ただ稼働率、ADRは一般的なホテルと比べ極めて高いような気がする。
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この日、決算説明会に集まった記者・アナリストは50人くらいか。高木社長の一連の説明が終わり、質疑応答となったが、誰も質問しなかった。
中長期計画が順調に進捗し、高木社長の説明が完璧、非の打ちどころがなかったのかもしれないが、これは失礼だと思い、記者は次のような質問をした。
この前、「田園調布」と「成城学園前」の分譲戸建てを見学させてもらったが、商品企画が素晴らしかった。他のデベロッパーをはるかに超える。1戸2億円前後の高額だったが、販売も順調と聞く。ただ、その良さを浸透させるためには何かが欠ける、大和ハウスの分譲戸建てを含めた新たなブランド構築が必要ではないか。
これに対して、高木社長は「双方とも業界のベンチマークとなるようなデザイン、商品企画に仕上げた。お陰で早期完売できた。大和ハウスと協議はしているが、統一的なブランドについては考えていない。リノベなどについては協力していく」などと語った。
同業の記者やアナリストの方へ。決算の数字は遅行指標だ。この数字とにらめっこし、あれやこれやのマクロデータをひねくり回しても、所詮は誰もが考えるようなありきたりの結論しか導き出せない。
大事なのはその会社がいま提供している商品、サービスを消費者の立場に立ってよく見ることだ。
コスモスイニシアでいえば、同社の企業理念は「Next Value For The Customer」だ。「田園調布」「成城学園前」は間違いなく顧客のニーズ・期待以上の「Value」を提供している。同社のマンションも同様だ。外に出ろ、現場を見ろ!
ついでに記者発表会での質問について。①質問して、どのような回答が返ってくるか分からない質問はするな②回答者が話したいことを引き出せ③(他のメディアを出し抜く)本当に聞きたいことはその場で聞くな(後で聞け)-これがイロハだ。自戒も込めて。「北風と太陽」の教訓を学ばないといけない。
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