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2018/06/20(水) 13:16

商品企画のよさ・特徴 もっとアピールを ポラス「浅草」好調スタートしたが…

投稿者:  牧田司

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「ルピアコート浅草」完成予想図

 ポラスグループの中央住宅が分譲中のマンション「ルピアコート浅草」のモデルルームを見学した。販売開始1カ月で販売戸数の約半分が成約・成約見込みとなるなど好調。同社オリジナルのピアキッチンを全戸数の4分の3に採用し、コンパクトが多く、ファミリーが少ない周辺の市場性に着目した商品企画が的中した。

 物件は、東京スカイツリーライン浅草駅から徒歩15分、東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩17分、台東区東浅草1丁目に位置する13階建て全48戸((非分譲1戸含む)。第2期(9戸)の専有面積は54.35~70.27㎡、価格は3,700万円台~5,900万円台、坪単価246万円。入居予定は2019年3月中旬。施工は川口土木建築工業。販売代理は東京中央建物。

 5月20日から契約を開始し、これまでに第1期1次15戸を即日完売するなど19戸が成約・申し込み済み。今週末に第2期(9戸)の販売を開始する。

 周辺には新築が少なく、中古も1Lや2Lが多く、ファミリータイプが少ないことから、角住戸タイプの3LDKの比率を約50%にし、多様な使い方ができる同社オリジナルのピアキッチンの設置比率を4分の3(4スパンのうち3スパン)に高め、全戸に大容量キッチン収納を採用したことなどが評価された。1Lや2Lからの買換えが目立つことからも企画がヒットしたことをうかがわせる。

 販売担当の東京中央建物営業部部長・小林潔氏は「浅草のポラスさんの物件を販売するのは2件目。女性目線の企画がいいので、売りやすい」と語った。

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ピアキッチン

◇       ◆     ◇

 同社が都内のマンションではじめてピアキッチンを採用したのは2012年だった。記者はその時の記事で、「実用新案取得済みの同社オリジナルの対面キッチンのカウンターとダイニングテーブルの機能をあわせ持つ「ピアキッチン」を標準装備した都内初の物件」「なかなかのスグレモノ」と書いた。

 ピアキッチンのよさは単に機能的で美しいということだけではなく、大型のキッチン収納を標準装備(オプションなら約80万円)し、これは強調したいのだが、排水に工夫を凝らすことで天井高はリビングと同じ高さにできることだ。限られたスペースを有効に生かせるメリットもある。

 以来、10物件はピアキッチン付きマンションを見学したか。しかし、設置比率をここまで高めた物件はなかった。その理由は知らないが、狭いスパンでは採用しづらいこと、コストが嵩むこと、独立型キッチンを望むお客さんも少なくないことなどだろう。

 課題を指摘すれば、その良さをモデルルームでは訴求できているが、パンフレット、チラシなどでは動線のよさを含め訴えきれていないことだ。今回の物件でも、他にカラーページはあるが、ペラ1枚にまとめたモデルルーム22の特長のうちピアキッチンの扱いは他のアイテムとほぼ同じ扱いだ。

 もっと言えば、その22の特長のうち出窓付き、共用廊下側のアウトフレーム、「とどかない錠」、引き戸の開閉双方のソフトクローズ採用、マイギャラリー、巾木の角を丸める-などは他社にはあまりないもので、これらももっと強調すべきだ。

 他社物件でも標準装備しているアイテムとピアキッチンなどの「スグレモノ」を同列に扱ったら、モデルルーム見学者など知らない人はなにが優れているのか全然判断できないではないか。

 同社にはさらに厳しいことをいう。販売事務所・モデルルームのフェイクの観葉植物だ。「フェイクの観葉植物はやめよ」と記者はここ最近口を酸っぱくして書いているが、今回の物件はかなり本物を採用している。これはこれで結構なのだが、モデルルームの主寝室にはお寺の祭壇の飾り物じゃあるまいし、100円ショップで買ってきたような造花が置かれていた。

 ピアキッチンとセットの80万円もする大型収納を気前よく標準装備する同社がどうしてこのようなまがいものの花を、しかも主寝室に置くのか。これはインテリアコーディネーターの質だけの問題ではない。

 さらにもう一つ。住宅情報誌の企画による物件〝宣伝用〟のいわゆるパブリシティが接客テーブルの上に置かれていた。〝著名評論家〟の顔写真が掲載されていた。

 二流三流会社のパブリシティには効果があるかもしれないが、同社のような優れたマンション商品企画にはそぐわない(記者はこの種のパブリシティは読まないが、読むと嫌悪するのは間違いない)。

 同社には、やや薹が立ったかもしれないが、商品企画に熱心なマンションディビジョンのNさんや広報のKさんのようなかわいい(この「かわいい」という言葉は、記者がいうからセクハラにはならない。お二人は絶対不愉快な思いはしないはずだ。「薹が立った」というのも極めて正確な表現)女性がいるではないか。二人で対談させ、女性目線の商品企画を語らせたら、一幅の絵になり、タダで(は失礼か)消費者の心に響く効果てきめんのアピールができるはずだ。一考を。

 これはすべてのデベロッパーにいえることだ。〝評論家〟なるものがどのような人たちか消費者はみんな知っている。そんな人たちに頼るより、自前の女性を起用したほうが安上がり(これは言い過ぎ)で消費者の心をとらえる。全135戸を約半年で完売した東京建物「Brillia大山Park Front」を研究すべきだ。タカラレーベンのレディ・ガガは同社のイメージを一変させた。明和地所は女性建築担当が頑張っている。

 そんな素養が全くないからでもあるが、記者は死んでも〝評論家〟なんぞにならない。RBA野球記事とともにマンションの商品企画の記事を死ぬまでフリーの立場で書き続けるつもりだ。嘘は書かない。記事はタダ。一人でも多くのマンション商品企画・販売担当の方々に読んでいただきたい。

 蛇足。東建、東建不販、ポラス、タカラレーベン、明和に共通するのは野球が弱いこと(東建、ポラスは中の上だが)。情けない。それでも男か。会社が悪いのか。

ポラス中央住宅「ライフピア新宿中落合」初の都内で「ピアキッチン」搭載(2012/10/9)

ポラス 浅草のど真ん中の「浅草二丁目」で単価割安の「ライフピア浅草」(2011/5/24)

東京建物「Bloomoi(ブルーモワ)」が企画 機能的で美しい 公園隣接の「大山」(2017/9/25)

 

 

 

 

 

 

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