東京建物が10月下旬に分譲開始する「Brillia大山Park Front」を見学した。同社女性社員を中心とする働く女性が提案する住まいの共創プロジェクト「Bloomoi(ブルーモワ)」の企画商品が随所に採用されている、出色の出来のマンションだ。
物件は、東武東上線大山駅から徒歩7分、板橋区大山西町に位置する7階建て135戸。専有面積は56.91~83.16㎡、予定価格は4,400万円台~8,000万円台(最多価格帯5,900万円台)、坪単価は270万円台。竣工予定は平成30年10月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。分譲開始は10月下旬。
「Bloomoi(ブルーモワ)」は、平成24年10月に発足した、同社女性社員を中心とする組織で、翌年にはメンバーが考案した商品企画を盛り込んだ第一弾マンション「Brillia大山 The Residence」「Brillia下丸子」が、一昨年には第二弾「Brillia日本橋三越前」が分譲されている。
今回の「大山」は、昨年2月、「理想のリビング空間」として公開したものを採用しているのが特徴。
1階には小規模認可保育園が設置され、隣接する公園と調和するようファサードデザインに木調横ルーバーを採用している。
物件ゲストサロンのチーフアドバイザー・島田康光氏は「構造やらを廃したBloomoi(ブルーモワ)に特化した事務所の設えやモデルルームの評価が高い」と話している。
◇ ◆ ◇
いま、「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」という、デベロッパーが卒倒しそうなおどろおどろしい帯がついた本が店頭に並んでいる。記者はこの種の本を読まないので中身はわからないが、いかにもじり貧の出版業界がやりそうな一発逆転の、あるいは当たりそこないのポテンヒットを狙ったハウツー本であるのは間違いない。
その伝でいえば、この「大山」は駅から徒歩7分、坂もないからぴったり。関係者は胸をなでおろしているかもしれないが、そんな些末(これは言い過ぎか)なことよりはるかにアピールできる魅力をこの物件は持っている。
それは、敷地南西側は区立板橋公園に隣接しているということだ。もともと敷地は区立小学校が建っていたところで、隣接地は交通公園と一体として整備される。
もう一つの特徴は、「Bloomoi(ブルーモワ)」の商品企画を世に問う第一号案件ということだ。詳細は添付した記事を読んでいただきたいが、昨年2月、「理想のリビング空間」としてメディアに公開された「アイランドキッチン」「ブルーモワライブラリー」「ブルーモワポケット」「壁面収納」などが商品企画に盛り込まれている。
モデルルームは76㎡の東南角の住戸だから表現できた部分もあるが、とにかく機能的でかつ美しい。一つひとつ紹介しないが、玄関の見せ方が巧みで、5畳大の子ども部屋もうまく処理している。特に記者がほれ込んだのは細い木調枠を施したキッチン収納だ。この木調枠と白の面材は絵画のようだ。住戸内の床はシート張りフローリングだが、突板仕上げのように映る。
辛子色や淡いブルーのクッションを配したキャンパス地のようなL字型ソファーセットは、〝こんな提案がしたかったのよ〟と言いたそうな、「Bloomoi(ブルーモワ)」のメンバーの誇らしげな顔が目に浮かぶ。
この〝最強〟の女性目線のマンションの販売を担当するのが、RBA野球にも参加している加覧憲一氏をリーダとするチームだ。加覧氏はかつて国学院久我山の選手として、今でいえば清宮くんみたいに騒がれた人だが、本人とチームメンバーの加齢により弱体化する一方で、今では〝最弱〟チームに成り下がっている。
この最強と最弱の取り合わせが面白い。販売事務所は商品企画意図を最大限表現できていると記者はみた。販売動向に注目だ。加覧氏の名誉のために言い添えるが、加覧氏は同社のヒット作をたくさん担当している。
◇ ◆ ◇
公園に隣接・近接するマンションをここ1~2年たくさん取材してきた。同社のマンションでいえば、加覧氏がリーダーを務めた「Brillia上野池之端」がそうだ。
今回の「大山」は、都の民設公園制度を活用した第一号「Brillia萩山四季の森公園」を彷彿とさせるような物件だ。詳細は省くが、この民設公園制度はその後一件も供給されていない。残念だ。
美しく機能的な「Brillia大山Park Front」を演出する東建・加覧-磯田コンビ(2017/9/19)
東京建物 「Bloomoi(ブルーモワ)」が「理想のリビング空間」公開(2016/2/18)