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2018/06/22(金) 23:24

売電制度活用 業界初 管理費実質ゼロで年間306万円の収入 アキュラ「若葉台」分譲

投稿者:  牧田司

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「ヒルサイドテラス若葉台」

 今日(22日)、3カ所のマンション・分譲戸建ての取材をこなした。どこを起点にするかだが、取材先はわが多摩センターからだと若葉台(12分)-八千代緑ヶ丘(1時間43分)-池袋(1時間30分)-多摩センター(55分)。移動だけで4時間33分。新幹線だと東京-広島か。

 どこから書いてもいいのだが、まず若葉台から。この日、アキュラホームは京王相模原線若葉台駅から徒歩17分の分譲戸建て「ヒルサイドテラス若葉台」の報道陣向け現地記者見学会を行った。全51区画の同社としては素地から取得して分譲する初の大型プロジェクトで、宮沢俊哉社長が直々に出席、「理想の住まい、年を経るごとに価値が高まる街づくりを実現した」と熱っぽく語った。

 物件は、京王相模原線若葉台駅から徒歩17分、稲城市若葉台4丁目に位置する開発面積約12,000㎡の全51区画。土地面積(建築確認済住戸24戸)は174.33~247.75㎡、建物面積は90.26~120.27㎡、価格は未定だが5,000万円台前半~6,000万円台後半の予定。竣工(予定)は平成30年4月下旬、7月下旬。構造は木造軸組工法2階建。施工はアキュラホーム東京中央・アキュラホーム埼玉中央・イトーピアホーム・細田工務店・小田急ハウジング。6月30日(土)、モデルハウスを一般公開する。販売開始は7月下旬。販売代理は東急リバブル。これまでの資料請求は約330件。

 現地は、駅からなだらかな坂を上った多摩ニュータウン若葉台地区のマンション群(若葉台パークヒルズ)と、多摩カントリークラブ・里山保全区域に隣接する比高差約4mの南傾斜地。3年半前に同社がUR都市機構から用地を取得した。

 あらゆるモノ・コト・空間をシェアすることでコミュニティを育む街づくりがコンセプト。延べ床面積約108㎡の木造平屋建て集会施設「センターハウス」を建設し、その屋根と分譲する棟に太陽光発電を搭載、国の固定価格買い取り制度を利用して売電収入を街の維持管理費用に充当、余ったお金は管理組合法人の収入とするほか、全戸数の約半数が3~4戸が共同利用する「コモン付き」となるのが特徴。

 見学会に臨んだ同社・宮沢俊哉社長は、「素地から取得して道を付け、企画・設計して分譲するのは初めてだが、多くの専門家の方々の知見を得て、これまで考えてきた理想の住まい、年を経るごとに価値が向上する〝経年増価〟の街づくりを実現した」「バブル崩壊でそれまでの価値観が変わった。これからは生活を豊かにする、利用価値を高める、資産価値を向上するような市場を創造することが求められる。その価値を可視化できるかどうかだ」などと熱弁をふるった。

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コモンスペース

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「センターハウス」

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センターハウスの天井(ラミナ張弦梁)

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宮沢氏

◇       ◆     ◇

 同社の分譲戸建ては「むさしのiタウン」や「浦和美園E-フォレスト」が印象深く記憶に残っている。このプロジェクトは1~2年前から聞いていたので、どのようなコンセプト、企画になるのか楽しみにしていた。

 発表会には宮沢社長のほか、同社住生活研究所長・伊藤圭子氏、同社まちづくくり推進部長・中道弘敬氏、基本計画段階から参画している市浦ハウジング&プランニング社長・川崎直宏氏が参加し、挨拶・説明を行った。質疑応答を含めたっぷり1時間を費やした。

 そして、宮沢氏が「価値を可視化できるかどうか」と締めくくった言葉はまさに正鵠を射たものだと思った。物件特性を分かりやすく消費者に訴え切れるかどうかがプロジェクトの成否のカギを握っている。

 コンセプトの一つであるコミュニティ-これは戸建てもマンションも同様、ここ数年大きなテーマになっている。しかし、これが販促に結びついたプロジェクトは多くないはずだ。

 むしろ、コミュニティの大切さを訴えれば訴えるほど、コミュニティが希薄になり、人々は孤立を深め、閉塞感が強まり、まるで白内障のような色彩を濃くする社会を浮き彫りにするだけではないかと、記者などはしらけ切ってしまう。それよりも、ストレートに実利を消費者訴えることのほうが効果的ではないかと。

 そんなことを考えながら宮沢氏などの話を聞いていたのだが、その実利が中道氏から具体的に語られた。

 中道氏は、前述したように固定価格買い取り制度を利用し、売電価格18円、センターハウスの維持管理費・修繕積立金を5,000円/戸と設定し、余剰売電価格は5,000円/戸と試算していると話した。つまり5,000円×51戸(センターハウス除く)×12カ月=306万円が組合の年間収入となる。

 戸建て団地でも管理組合が設立される例は珍しくない。月額1万円を超えるケースもある。それが実質無料になるばかりか、年間にして306万円の収入になる。同社によるとこのような事例は全国初という。これはインパクトがある。

 「コモン付き」も真新しい提案ではないが、訴求力がある。これは宮脇檀建築研究所に勤務していた二瓶正史氏のアイデアだろうと思う。管理組合の運営には齊藤広子氏が関わるのも後押しとなる。無電柱化、隣接の里山保全地域も価値がある。住棟は長期優良、マルチパーパスルーム、マルチユーティリティ付きが特徴で、これもいい。

 これらを徹底して可視化=見せる化できれば、早期に完売できるのではないか。

 同駅より1駅都心寄りの稲城駅から徒歩6分の野村不動産「プラウドシーズン稲城南山」第1期60戸(平均5,769万円)が6月16日抽選の結果、即日完売した。競合は相乗効果を生むかもしれない。

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現地に隣接する里山保全地域

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モデルハウス(観葉植物はフェイクが多かったが、果物類は本物)

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グランピンググッズ(ビール、鳥の丸焼きなど飲食料は本物=報道陣に供されたわけではない。見るだけ)

どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工 街びらき(2017/3/27)

GWに126組来場 アキュラホーム「エコモデルハウス」(2010/5/6)

「むさしのiタウン」平均3.7倍の申し込み倍率に(2007/2/13)

 

 

 

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