昨年、当欄で「超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い」と見出しに書いたスターツの「クオン流山おおたかの森」が今年5月までに完売したことが分かった。モデルルームをオープンしてから8カ月、販売を開始してからわずか半年で全162戸を成約するという驚異的な売れ行きだ。
詳細は、別掲の記事を参照していただきたいが、坪単価が210万円だった。見出しに「超割安」などと書いたのは記憶にないくらい珍しいことだった。
そればかりか、つくばエクスプレス沿線では三井不動産「柏の葉」以外ない免震工法を採用、設計は日建ハウジングシステムで横入り玄関のプラン、メーターモジュールの廊下幅なども秀逸だったので「プラン秀逸」とまで書き、絶賛した。
流山市の流山おおたかの森市有地活用事業のコンペに当選した案件でもあり、早期に完売するとは思ったが、まさか半年で完売するとは驚きだ。来場者は約560件で、歩留まり率は驚異的な約30%に達した。
申込者は、地元の流山市と隣接の柏市居住者で約50%だから、広域からも集客できていることが分かる。
郊外型の早期完売物件では、一昨年の京阪電鉄不動産の「ファインシティ東松戸」(382戸)を思い出すが、販売スピードは互角かそれ以上だ。「東松戸」の歩留まり率も25%と高かったが、こちらは30%だ。
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「母になるなら、流山市。」-8年前だ。このキャッチフレーズを見たとき、いかにも井崎義治流山市長がやりそうなことだと納得し、「やったね」とエールを送りたい気持ちになったのを覚えている。
井崎氏は住信基礎研究所、エース総合研究所(現エンタテイメントビジネス総合研究所)を経て、平成15年(2003年)の市長選で地方政治にありがちなボス・顔役が幅を利かせる旧弊を打ち破り当選した。
その後、井崎氏にインタビューしたことがあるが、激化する都市間競争に勝ち抜く決意を熱っぽく話されたのが印象に残っている。
市長に就任した2年後につくばエクスプレスが開業(2005年)したが、当時、具体的な街づくりの展望が見えたのは三井不動産が主導する「柏の葉キャンパス」しかなかった。各沿線とも前途多難を思わせた。井﨑氏には「街づくりのノウハウを持つデベロッパーに学ばれてはどうか」と話したこともある。
あれから13年。流山おおたかの森の駅前のマンションが坪210万円で瞬く間に売れる-悔しいことだが、わが多摩センターに迫る勢いだ。
市の広告には「父になるなら、流山市。」バージョンがあることを最近知った。都心ではもはや普通のファミリーは住宅価格の上昇で住めなくなっている。全ての郊外都市が「母になるなら、〇〇市。」「父になるなら、〇〇市。」と打ち出せるような時代になってほしい。
超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い スターツ「クオン流山おおたかの森」(2017/11/9)