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2018/08/24(金) 10:07

ニッチからコアへ 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」受注加速

投稿者:  牧田司

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「ヘーベルVillage杉並井草」

 先の旭化成ホームズ「へーベルメゾン母力すぎなみ」に続いて、シニア向けの賃貸マンション「ヘーベルVillage杉並井草」について。

 物件は、西武新宿線下井草駅から徒歩7分、杉並区井草一丁目の第一種低層住居専用地域に位置する重量鉄骨造3階建て全26戸。専用面積は46.69~62.07㎡。月額家賃は59㎡の2LDKで150,000円、共益費23,000円で合計173,000円。設備仕様は床暖房・IHヒーター・エアコン・洗浄暖房便座付きトイレ・緊急通報装置・暖房機能付き浴室など。2018年4月竣工。

 サービスはALSOKによる健康相談・緊急対応・ライフリズム監視、社会福祉士などによる生活相談・生活支援訪問、連携医療機関の紹介、家族への状況報告、コミュニケーションタブレットなど。このほか、家事代行サービス、訪問介護サービス、訪問診療サービスなども選択できる。

 オーナーは複数の賃貸を所有する賃貸経営のプロで、自宅向かいの土地の相続税対策として競争力のある賃貸住宅を希望したのに対し、同社の提案が採用された。オーナーからはその後、「母力」の契約も結んだ。

 「ヘーベルVillage」は2005年から発売。これまでに64棟856戸を受注、2020年度末までに100棟1,000戸超の受注を目指す。2018年7月末現在、22棟285戸の入居率は95.1%。

 同社新規事業推進本部シニア事業推進部部長・田辺弘之氏は「当初はニッチの商品かと考えていたが、自立したシニアが大幅に増加する傾向にあり、老朽化した戸建ては住みにくい環境(広すぎる・段差がある・管理が大変など)にあり、その一方で介護施設ではない快適で安心して暮らせるこのような賃貸住宅のニーズがあることが分かった。完成後ほぼ1カ月で満室になる。付加価値型賃貸が入居者にも評価されている」と話した。

◇       ◆     ◇

 「ヘーベルVillage」を見学するのは初めて。分譲マンションを中心に取材している記者は、設備仕様には物足りなさを感じたが、利回り最優先の一般的な賃貸マンションとの差別化ができていると感じた。

 とくに、先の「母力」もそうだったが、既存の高木を生かし、緑被率を高め、公開空地を設けたりするランドスケープデザインがいい。

 受注が飛躍的に伸びているのもよくわかる。〝ニッチ〟どころかこれこそが〝コア〟事業で、地域特性に応じ設備仕様レベルを上げ、共用施設・スペースを設け、分譲仕様に負けないものができるのではないかとも思った。

◇       ◆     ◇

 同社が同日公表した「ヘーベルVillage」入居者属性調査(調査対象250件)が面白い。

 夫婦での居住が約3割で、独居女性が約50%、残りは独居男性約12%、親子約4%となっている。入居者の平均年齢は76歳で、要介護・要支援認定者が圧倒的多数を占めるサ高住とは逆に、自立が約8割を占め、入居前の「持家戸建て・マンション」が約7割に達し、約4割の人が自宅を売却して入居を決めている。

 入居時の希望としては、「干渉されずにマイペースで暮らしたい」「人の世話になりたくない」「自分の部屋を持ったり、沢山の荷物を収納する広さが欲しい」などが多数で、入居理由には「高齢者のみの暮らしが不安」「一戸建ての暮らしが不安」「自宅の不満・不便」「家が古くて寒い」「広くて維持管理が億劫」「買い物が不便」などを上げる人が多いという。

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あれから6年 「BORIKI(母力)」じわり浸透 旭化成ホームズ「母力おぎくぼ」見学会(2018/8/22)

 

 

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