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2018/08/30(木) 17:24

「かゆいところに手が届く」商品企画 IoT搭載の戸建て ポラス「船橋・北習志野」

投稿者:  牧田司

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「アドバンスドプレイス船橋・北習志野」

 ポラスグループの中央住宅とポラスガーデンヒルズは8月30日、同社初のIoTを装備した戸建て分譲「アドバンスドプレイス船橋・北習志野」の記者見学会を行った。「家電などの無駄な稼働時間を減らし、家本来が持つ省エネ性能も最大限に発揮し快適性さと同時に、経済性を高めた」(ニュース・リリース)「かゆいところに手が届く」住宅が売りだ。

 物件は、新京成・京葉高速鉄道北習志野駅から徒歩13分、船橋市習志野台2丁目に位置する全91棟。第1期(33棟)の土地面積は100.08~140.10㎡、建物面積は93.46~110.13㎡、価格は3,580万~5,380万円。

 すでに8月11日から分譲を開始しており、分譲開始前の3週間で60組の来場があり、16棟が申し込み済み。申込者の45%が船橋市、25%が近隣市、20%が都内居住者。年齢は30歳代後半が中心。

 現地は、高低差にして10m以上ある南傾斜の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)の官舎跡地。隣接地にはUR都市機構の「高根木戸団地」と幼稚園があり、小・中学校、保育所、病院、船橋アリーナ、日大薬学部キャンパスなどが近接。

 「一歩先を行く未来の快適性」がテーマで、パナソニックの「AiSEG2(アイセグ2)」を採用し、全棟に装備したタブレットにより給湯・照明・エアコンなどの操作や電子回覧板の閲覧が可能で、外出先からの戸締り確認、気象情報と連動させ自動シャッターを閉じたりポーチ灯や外壁灯を自動点灯させたりする同社独自の「灯かりのいえなみ協定」を締結している。

 街並みは3つの街区で構成。「フィンテック街区」(37棟)はHEMS×コンシューマーサービスを標準装備。光熱費の見える化と管理を一元化するHEMSと、三井住友銀行が提供するアプリを使用して、住宅ローンの事前審査や申し込みがタブレットで行えるサービスも用意している。

 「ヒーリング街区」(26棟)では、音と香り、音と灯りを商品企画に取り込み、スピーカ付きダウンライトを標準装備するほか、癒し効果があるとされるフィトンチッドの成分を最大限残したスギパネル、調湿建材の壁を採用。

 「サードプレイス街区」(28棟)は、第三の居場所×スタディスペースをコンセプトに各棟にスタディリビングをプランニングし、未来の働き方・暮らし方につながる「自宅のサードプレイス化」を提案する。

 中央住宅戸建分譲千葉事業部事業部長・田中弘樹氏は「当社の船橋事業所は平成25年に設立し、6年で50現場、600棟の実績があるが、今回は北習志野駅圏最大級。千葉で実績が豊富なグループのポラスガーデンヒルズと組んだことが相乗効果となり、販売も好調に進んでいる。9月には注文住宅の拠点も開設し、エリアの事業拡大を進めていく」と話し、同社戸建分譲千葉事業部船橋事業所営業課課長・高橋元毅氏は「例年8月の分譲は集客が厳しいが、順調に販売が進んでいる。共働き世帯の申し込みより、夫のみの収入の方のほうが多かったのは想定外で、IoTの(販促)効果は現段階で不明」と語った。

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アリーナ

◇       ◆     ◇

 IoTを標準装備した戸建ては一昨日、大阪吹田市の野村不動産「プラウドシーズン千里円山町」の記事を書いたのでそちらも参照していただきたい。

 「千里」は梅田から30分圏内、「北習志野」は大手町から30分圏内と都心からの距離はよく似ているが、価格は倍くらいの差がある。大阪の高級住宅地もすごいということか。官舎跡地で、機種がパナソニックなのは同じ。用途地域は「千里」が第一種低層住居専用地域、「北習志野」は第一種中高層住居専用地域。「北習志野」の隣接地には野村不動産「オハナ北習志野」があるのは単なる偶然か。

 スマホすら満足に扱えない記者だが、IoTは結構なことだと思う。ただ、機器に向かって「寒い、温かくして」「暑い!温度を下げよ」「開けゴマ」などと声を掛けるのはためらわれる。家族間の「上げよ」「下げよ」の声が飛び交ったら機器はどう反応するのか。権力を握る者にこびへつらうようになったら怖い。

 そんなことより、物件の基本性能、商品企画をじっくり観察した。1階の天井高が2.7mあるからこそキッチン・リビングにあえて段差(約20~40cm)を設けて空間を演出していたのはさすがポラスだ。窓サッシの位置を工夫し、遮熱性の高いものを採用しているためか、断熱性能もずいぶん向上したと実感した。

 酷暑の夏にこれほど売れているのにも正直驚いた。商品企画が優れているからだろう。これだけの広さのマンションなら最低でも4,500万円はする。デベロッパーが戸建てにシフトし、ユーザーも戸建てを志向する流れになるのもよく理解できる。

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キャンパス

◇       ◆     ◇

 〝商品企画がいい〟と褒めたら、同社の広報マンが「IoTもそうだが、うちはかゆいところに手が届く商品を供給している」と返事した。

 なるほどと思ったが、「痒くなる」ノミやシラミなどが一般家庭から姿を消してどれくらいたつのか。「かゆいところに手が届く」は死語と化し、麻姑掻痒(まこようそう)=孫の手も意味不明の時代になったということか。この前、ある量販店で巨大ネズミが徘徊しているのを見て心臓が飛び出しそうになった。害獣がはびこる時代の到来か。

 おまけ。今回のIoT商品で言えば、今回のモデルハウスにはなかったが、「ヒーリング街区」「サードプレイス街区」がいい。映像も含めた音や香りなど五感に訴える工夫が住まいを変えるかもしれない。

 例えば、ひばりのような夜鷹のよがり声、ヒキガエルに似た息が詰まる夫のいびき、絶滅危惧種トキ(鬨)の雄たけび、かわいい七つの子のカラスの勝手口のきしみ、寒さに震えるキリギリスの虫の息、遠き島より流れ寄る椰子の実を胸に聞く伊良子岬の波の音、マリアナ海溝の海底に棲む深海魚の寝息、マダタスカル(いつもの誤植ではない。念のため)で発見されるかもしれぬ不死鳥の羽音、催眠と催淫がごちゃ混ぜになった麝香の香り、えも言えぬ心鎮まる可憐なドクダミとヘクソカズラのブレンド香、荒城の月の月下美人の花の蜜…そんな音や香りが自由自在に体感できる時代がやってくると考えただけでワクワクするではないか。パナソニックのスピーカ付きダウンライトはとても音がいい。「千里」で体感した。

 さらに言えば、風呂のお湯張りも結構だが、だれが風呂掃除をするのか考えたほうがいい。部屋掃除もしかり。風呂を洗い、階段を上って部屋を掃除するロボットを開発したら拍手喝采してやってもいい。

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ビストロ

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プラザ

「過去に類を見ない反響」 野村不の戸建て「千里円山町」/大阪市は1低層がない!(2018/8/29)

 

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