「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」完成予想図
大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」を見学した。新宿から約30分圏の緑豊富な住宅街の一角。分譲開始から3カ月で全80戸のうち約4割が契約・申し込み済みというから順調な売れ行きだ。
物件は、京王相模原線京王永山駅・小田急多摩線小田急永山駅から徒歩13分、多摩市永山三丁目に位置する10階建て全80戸。専有面積は70.15~95.74㎡、現在分譲中の第2期2次住戸(8戸)の価格は3,879万~5,059万円(75.02~91.12㎡)、坪単価は170万円台。竣工予定は平成31年6月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
現地は、瓜生せせらぎ散歩道と永山さくら通りに挟まれ、永山第3公園、貝取北公園などに近接、保育園、幼稚園、小・中学校なども徒歩10分圏内の高台立地。
建物はTの字型で、住戸プランは南向き30戸、西向き50戸の構成。専有面積平均75㎡、奥行き3mバルコニーや、全面ウッド調デッキ敷のオープンエアデッキ付き、プライベートデッキ・ガーデン付など多彩なプランが特徴。
南西角住戸の78㎡のコーナーサッシ付きモデルルームは、コーナーサッシを利用した約3畳大の多目的に利用できる「コンサバトリー」を提案。
販売担当の同社長島学氏は「販売は順調。緑の環境と、コンサバトリーの提案が評価されている」と話している。
コンサバトリー
モデルルーム
◇ ◆ ◇
現地周辺には、一度も車道を通らずに子どもと一緒に自転車に乗って遊びに行ったことがある。永山駅からだとなだらかな坂を上ることになるが、ここも車道を通ることなく行けるのではないか。
〝母になるなら流山〟などと憎いコピーで子育て世帯を引きつけた流山市だが、多摩市は〝住むなら多摩〟だ。坂がきついところもないわけではないが、駅から徒歩20分圏内の自宅まで車の姿を見ることもなく信号待ちすることもなくたどり着けるのは、ここ多摩ニュータウンしかないはずだ。
坪単価はこんなものか。先にあげた流山市の「流山おおたかの森」当たりと同じくらいか。多摩センター駅圏の坪単価180万円そこそこのマンションも販売が長期化しているのが現状だ。
個人的には、街の熟成度や生活利便施設の集積、緑の住環境など総合的に評価すればはるかに流山市などを上回るはずなのに、この程度にしか設定できないのは情けないと思う。
何かが欠けている。一言で言えば、ここ多摩市に住めばどのような生活ができるかをどこのデベロッパーも訴え切れていない。
一つ例を示す。多摩市には市限定販売の石川酒造「原峰のいずみ」という日本酒がある。多摩市の原峰で生産された米を使って製造・販売されている純米酒だ。
これが実に美味しい。こんなことを書くと怒られるかもしれないが、わが三重県の伊勢志摩サミットの乾杯式に供用された「作(ざく)」と比べてもそん色ないばかりか、勝る(味覚には個人差がある)。入荷が少ない地元の酒屋はすぐ売れてしまう。大型スーパーでは販売しておらず、京王プラザホテル多摩からもいつのまにか姿を消した。
そんな話を長島氏や同社広報担当と話したのだが、何とその幻の酒「原峰のいずみ」が駅前の多摩市と長野県富士見町のアンテナショップ「Ponte(ポンテ)」で売っているではないか。10本以上あった。1本買った。
〝感動を売る〟のが商売だ。伊藤忠都市開発「クレヴィア碑文谷」では「亀屋万年堂」のお菓子をプレゼントされた。記者は感動した。身も心も酔わせる「原峰のいずみ」を振舞う勇気は大和地所レジデンスにはあるかどうか。
馬鹿なことを書いたが、同社は前期、売上計上の900戸を全て売り切り、「完成在庫ゼロ」を達成した。同社広報によると「仕入れが順調に進み、販売も好調で、工期の平準化が実現した結果」と話した。駅から徒歩15分の「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」52戸が半年で完売したように商品企画もよくなっている。
専用庭
駅から15分 克服できる商品企画 大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」(2017/12/1)