「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」モデルルーム
大京グループの大京穴吹不動産は11月1日、同社が展開する専有1戸単位のリノベマンションブランド「Renoα(リノアルファ)」に、インテリアブランド「ACME Furniture(アクメファニチャー)」を展開するACMEとコラボレーションし、内装仕様・インテリアコーディネート・家具などの生活空間を提案する「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」を加え、その第1号物件を発売すると発表した。
フローリングにダメージ加工のワイルドヒッコリーの無垢材(厚さ18ミリ)フローリングを採用しているほか、建具は框組、モールガラスなどのデザイン扉、ブラケット・スタンド照明を多用しているのが特徴。ディススプレイ家具は120万円で販売する。
大京穴吹不動産取締役リノベーション事業部長・櫻田強氏は、「感性とセンス、今後の中古&リフォームの展開という2つのチャレンジの側面から採用した」と新提案の目的について述べ、同社事業統括部研究開発室係長・田渕裕美氏は「ACMEさんのクラフトマンシップに共鳴し、心が震えた」などと絶賛した。
「Renoα(リノアルファ)」は年間約1,500戸、累計約7,000戸の販売実績がある。物件は、東急大井町線上野毛駅から7分、世田谷区上野毛4丁目に位置する築40年の「ライオンズマンション上野毛A棟」の79.38㎡。登録申し込みは2019年1月10日(木)~14日(日)。販売価格は4,980万円(税込、リノベ費用950万円含む)。
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「アメリカン・ヴィンテージの暮らし」は、BtoBビジネスの拡大を狙うACMEとぴったりで、ACME CCO・辻雅彦氏が「わたしたちの家具はデイリーユースがコンセプト」と話したのにも同感だ。
露悪趣味ではないかと思えるほどのこれ見よがしの途轍もなく高そうなアンティーク家具はマンションモデルルームでたくさん見てきた記者も、この値段(坪単価208万円)の中古マンションにはぴったりだと感じた。田渕氏のように「心が震える」ほどではなかったが、ダメージ加工のワイルドヒッコリー(くるみ材)の無垢材はとてもよかった。
以下は、田渕氏が企画主旨について話された一部だ。記者はほとんど手を加えていない。
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(当社は)蓄積した実績やノウハウに限定せず、異業種さまとの共創によりもたらされる新たな感性やセンスを取り入れることにより、多様化する住空間のニーズにアプローチし、当社ではリーチできなかった新たな顧客層の開拓を推し進めていきたいと考えております。
今回コラボレーションとしてふさわしいと思い、こちらからお声掛けさせていただいた株式会社ACMEさまですが、ACMEさまとお話しさせていく中で、取り扱っていらっしゃるヴィンテージ家具といった古いものに手を加えながら大切に使い続けていくということと、そして、ACMEさまより言葉をお借りすると〝We are Craftsman〟という表現ですが、家具を大切にするだけにとどまらず、新たなデザインや専門職人による匠の技術により、さらなる価値を加え家具を輝かせる『クラフトマンシップ』というスピリットをお聞かせいただきました。
これは、まさに大京グループにおける、ものづくりのスタンスに共鳴するものがあり、お話しを聞きながら心が震え、このお考えは、当社の中古住宅をリノベーションという形で甦らせ、古いものを長く維持しつづけるという考えと親和性があると考え、今回のコラボレーションの実現にいたりました。
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なぜ紹介したか。田渕氏が、ACMEの理念は「当社のものづくりのスタンスに共鳴するものがあり、お話をききながら心が震えた…」と話された部分に記者もビビッと来たからだ。だから見出しにも取った。
田渕氏は全体で1,200字くらい話されたのだが、時間にして3分くらいだったか。記者がメモを取るにはやや早口だとは感じたが、ほぼ完璧の内容だと思った。「えー」「あのー」などの無機能語はほとんどなかった。
これは取材していつも感じることだが、挨拶される皆さんは第一に話が長すぎるし、早口すぎる。分量としてはよく言われるように1分間に300字だ。そして訴えることもできれば1つ、限界は3つ。ちあきなおみさんの「四つのお願い」は欲張りすぎだ。
この点で言えば、先日行われた木住協の第21回「作文コンクール」表彰式での国土交通省住宅局住宅生産課長・長谷川貴彦氏の挨拶は最高に素晴らしかった。「木のいいところ」として、「木は人にやさしい」「木は環境にやさしい」「木は地球にやさしい」(メモをなくしたので定かでないがほぼ間違いない)の3つを挙げられた。
記者のようなweb記事は文字数に制限はないが、紙媒体は指数に限りがある。3分間話しても、記事にするのは限られる。挨拶される方は、「詳細はニュースリリースを読んでください。わたしの強調したいのは1つ(あるいは3つのお願い)」くらいにとどめたらどうか。わたしは、リンカーンの「government of the people, by the people, for the people」を超える挨拶を期待しているのだが…。
最近の挨拶で一番だと思うのは、矢野龍氏の木住協会長の退任の挨拶だった。ここに添付する。
左からACME池田耕太郎氏、辻氏、田渕氏
「time flies like an arrow 光陰〝矢野〟如し」 木住協・矢野会長(住林会長)が退任(2016/5/30)