「シティタワー葵」完成予想図
住友不動産は2月8日、東海圏初のマンション総合展示場「総合マンションギャラリー」を報道陣に公開し、地下鉄栄駅徒歩圏内で最大級のタワーマンション「シティタワー葵」の概要を説明した。
ギャラリーは、名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線栄駅から徒歩3分、名古屋市中区新栄2丁目10番地、NTT栄ビル1階(西館)に設置。対面のサンシティビル15階に設けるモデルルームなどとあわせ広さは約760㎡。2月9日にオープンする。
2011年から首都圏で、2014年から関西圏でそれぞれ展開している「総合マンションギャラリー」は今回で9館目となる。
「シティタワー葵」は、名古屋市営地下鉄東山線新栄町駅から徒歩4分・同桜通線高岳駅から徒歩6分、名古屋市東区葵一丁目に位置する敷地面積約4,598㎡、延床面積約33,896㎡の20階建て全354戸。専有面積は58.87~88.68㎡。価格は未定。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2020年10月下旬。モデルルームオープンは3月2日。
主な特徴は、①栄駅徒歩圏内最大級のタワーマンション②尾張徳川家御下屋敷跡③総合設計制度適用④総戸数の約8割となる駐車場284台分確保⑤2つのゲストルームなど多彩な共用施設⑥ガラスカーテンウォールの外観-など。
東海支店長・竹田晃氏は、「名古屋のGDPは大阪を抜き2位。人口も増加しており、リニアがトリガーとなり経済・社会構造も劇的に変化する。名古屋市も人口増に備えるべく規制緩和も含めて都市計画を進めており、他都市に負けないけん引力となっている。市のマンション市場規模は年間3,000戸くらいでシュリンクしているが、当社は年間300~400戸くらいの良質なマンションをコンスタントに供給し、トップシェアを狙う」と話した。
また、総合マンションギャラリー栄館館長・康本裕次氏は「まだ具体的にマンション購入を決めていない、絞り込めていないお客さまに対してワンストップで様々な提案を行えるようにする。『葵』はフラッグシップとなる物件」と語った。
春の庭
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三重県出身の記者は、竹田氏と康本氏から名古屋弁が発せられることに期待し、ずっと二人の口ばかりを見つめていた。昔の東海圏は地域意識が強く、よそ者を受け入れない風土があった。電力は中部電力というのは当然だが、新聞は中日新聞と中日スポーツ(記者の小さい頃は伊勢新聞)、銀行は東海銀行(百五銀行)、デパートは松坂屋(三重は三交デパート)が圧倒的なシェアを誇っていた。よそ者の住友はそんな風土を取り込み、言葉でもって慰撫するであろうと読んだからだ。
しかし、待てど暮らせど、二人から名古屋弁の名の字も発せられず、香りすらも漂わなかった。質問した報道陣もみんな東京弁を使った。
たまらず記者は「名古屋弁で話してもらえへんか」(これ名古屋弁じゃなく伊勢の言葉)と注文したが、「わたしは山形出身。名古屋弁は難しい」(竹田氏)「わたしも関西」(康本氏)とつれない返事。
それにしても、どうして名古屋圏のマンションは、東京や大阪資本に牛耳られているのか。トップシェアは野村不動産だそうで、大阪のプレサンスコーポレーションが第一次取得層向けでリードしているとか。「葵」もトヨタのディーラー跡地というではないか。名鉄不動産、三交不動産はどうした。どえりゃあ、負けてるとちゃうんか〟。
取材後、名古屋弁を仕入れた。「カギをかう」(掛ける)「けった」(自転車)「ほかす」(捨てる)…。同業の記者から聞いたのだが、関西圏ではオプションは「まけときなはれ」、つまりタダにしろといわれるのだそうだ。
「コンセプトルーム」イメージ図
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価格、設備仕様などはモデルルームがオープンされていないし、名古屋の市場が全く分からないので書きようがないが、キッチン天板は御影石、直床で天井高は2500ミリ、複層ペアガラスなどになるという。
総合設計制度の認定(容積率400%⇒560%)を受けているのは評価できる。昨年見学した坪350万円の積水ハウス「御園座タワー」がそうだという。その近くで近鉄不動産が定借のマンションを坪260万円くらいで分譲するそうだ。「葵」の坪単価は300万円を超えないと見るのは同業の記者の弁。