「プラウドタワー武蔵小金井クロス」完成予想図
野村不動産は2月26日、JR武蔵小金井駅前の全716戸の再開発タワーマンション「プラウドタワー武蔵小金井クロス」の記者見学会を行った。約9割を同社が所有するショッピングセンターのほか、医療施設、子育て支援機能を併設する複合物件で、様々な共用施設や設備を備えることで、ファミリー、共働き世帯、単身世帯、アクティブシニアなど多様なニーズに応える。販売開始は3月9日。
物件は、JR中央線武蔵小金井駅から徒歩3分、小金井市本町六丁目に位置する24階建て(イースト)と26階建て(ウエスト)の2棟全716戸(うち非分譲の地権者住戸103戸含む)。専有面積は34.03~112.42㎡、価格は未定だが、坪単価は370万円の予定。入居予定は2020年6月中旬。施工は清水建設。
現地は、10年前に完成した駅南口の第一地区再開発エリアに隣接しており、今回の再開発と合わせ約5.2haの中央線沿線過去最大級の規模。建物は制震構造を採用。
主な共用施設は、スカイワークサロン、ライブラリー&カフェラウンジ、フィットネススタジオ、635(ムサコ)ベースなど。また、地域のコミュニティ形成を支援する開かれた空間としてアトリエコモレビ、ムサコヒロバ、ムサコテラスも整備する。
主な基本性能・設備仕様は、天然石キッチンカウンタートツプ、ディスポーザー、食洗機、木製リビングドア、天井高2.5~3m、Low-Eガラスのコーナーサッシ、ミストサウナなど。
販売責任者の同社・平野拓也氏は、「戸数も開発規模も中央線沿線過去最大級。タワーマンションは活況を呈しており、当社の価格についてはお客さまから『安い』という評価を得ている」と話した。
これまで約2,700件の問い合わせがあり、来場者は約950件。
アクアラウンジ
サイクルベース
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絶妙な値付けだと思う。中央線だからひょっとしたら坪単価380万円もあるかなと思ったが、坪単価370万円と聞いたとき〝なるほど〟と得心した。「東雲」と同様、最近の同社は高値を追求しない。賢明だ。
第1期の供給戸数は200戸くらいではないかと予想したら、「百数十戸くらいは行きたい」(平野氏)とのことなのでこれもぴったりだ。
シアター、パンフレットなどを見て、いつもながら宣伝の巧みさに感心した。平野氏は何度も「中央線初」と話した。父子の絆をホームドラマ仕立てにしたシアターも流れた。
ここ数年、このような〝泣かせる〟シアターばかりを見せつけられているので辟易しているのだが、来場者にしてみれば、これが新鮮に映るのかもしれないし、そしてまた、「Rest Tokyo」「私を、休もう」「武蔵野で、休もう」「始発通勤で、休もう」などと別刷りの小冊子「Pause」で繰り返されたら、「musako」(武蔵小金井をそう呼ぶらしい)こそ、終の棲家に思えてくるのではないか。
「musako」について。小生は全然知らなかった。「武蔵小杉」も「武蔵小山」も「musako」と呼ぶらしい。発音を聞いたら「ko」は語尾を下げるのだそうだ。
記者などは小さいころ、「夕鶴」の「tsu―」(司のtsu)としか呼んでもらえなかったので、語句を短縮するのは好きになれない。「タワマン」などまず書かないし、少し前、「ワーママ」なる言葉が業界紙の見出しに使われていたのに仰天した。
「musako」ついでだ。平野氏は「私は神奈川出身なので『musako』は武蔵小杉のことだと思っていた」と話したが、平野氏は「もう間もなく完売する」「プラウドタワー川口」も担当しており、記者が取材したとき「川口は〝埼玉の武蔵小杉〟と言われています」としゃべった。
単価は「musako」(武蔵小杉)を越えたか。だが、しかし、個人的には「musako」をベンチマークにするより坪単価400万円の勢いのある「kitasen」(北千住)に注目したほうがいいと思う。わが「tamasen」(多摩センター)だって「musako」(武蔵小金井&武蔵小杉)より富士山は圧倒的に近い。
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商業施設を同社が所有するのは、商業を強化するためだと平野氏は話した。隣接のイトーヨーカ堂との競合について聞いたら、「ヨーカ堂の面積は16,000~18,000㎡だが、当社は日用品中心なので競合はしない」と語った。街の適正店舗面積はまったく分からないが、多摩センターのほうがはるかに大きいのでは。
スカイワーク
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