仲井社長(丸の内北口ビル カンファレンスセンターで)
「この1年間を振り返り自己採点すれば100点満点で100点」-積水ハウス・仲井嘉浩社長が3月8日行われた同社の2019年度経営計画説明会で語った。
2018年度の業績は、売上高2兆1,603億円(前期比0.0%)と過去最高を更新したが、前期の受注減などが影響し、営業利益は1,892億円(同3.2%減)となった。セグメント別では、中高級路線のリフォームやエリア戦略が奏功した不動産フィー事業が伸長。都市再開発事業は「ザ・リッツ・カールトン京都」などの売却で売上高1,269億円、営業利益323億円を計上した。
仲井氏は、「受注増を売り上げに結びつけられなかったのは反省材料」としながらも、「地域性重視から事業性重視へ断腸の思いで断行した」4月の機構改革が、「当初は戸惑いが見られたが、夏以降は浸透が進み数字に顕著に表れるようになった」と説明した。
今期2019年度は売上高2兆3,670億円(前期比9.6%増)、営業利益2,050億円(同8.7%増)といずれも過去最高を予想する。波乱含みの情勢にある国際事業はやや保守的に予想している。
第3フェーズと位置付ける「『わが家』を世界一幸せな場所にする」第一弾の「プラットフォームハウス」には約40分の説明時間のうち約10分を割き、図表を示しながら住宅内での急性疾患の早期発見・緊急対応により医療費、介護費、労働損失費など社会的コストを大幅に引き下げると力説。2020年春には発売すると話した。
地面師による詐欺被害に伴う一連の人事問題については「影響は出ていない」ときっぱり答えた。
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「100点満点で何点ですか」と記者から質問が飛んだとき、いくら業績が絶好調でも経営者は欲張りだろうから、自己採点すればどんなに高くても98点くらいだろうと小生は読み、〝社長、足りない2点は何ですか〟と畳みかけようと待ち構えたのだが、仲井社長が「100点」と答えたので二の句が継げなかった。
ところが、その記者の方はESGのうちのガバナンスについて質問したのであって、100点満点は業績全てを評価したのではないことがあとで分かった。
なるほどと理解もしたのだが、この質問はない。ESGをそれぞれバラバラにし、肝心のCAT(「Compliance」「Accountability」「Traceability」)も無視してGだけ問えば、どこの社長も100点を付けるはずだ。