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2019/03/12(火) 11:53

「住宅新報」「週刊住宅」も1面はつまらない 豚のように木に登ろうではないか

投稿者:  牧田司

 今週の業界紙の1面は「住宅新報」(3月12日付)が一括受電方式を専有部にまで適用する管理組合決議は違法とする最高裁の判決記事、「週刊住宅」(3月11日付)が拡大するネコ市場に関する記事だ。

 まず住宅新報の記事。この問題は一般紙でも先週の5日、6日当たりで報じられた。何か新しいことが盛り込まれているかと読んだが、ほとんどなし。この種の他紙、それも一般紙が報じた後で取材する、いわゆる後追いほど記者にとってつらい仕事はない。この記事を書いた記者の気持ちはいかばかりか。

 判決そのものは極めて穏当だと思う。区分所有法を読めばそうなるだろうことは素人でも分かる。共用部への一括受電はともかく、各戸へそれを強要するのは無理がある。例えが適当かどうか分からないが、〝一括購読すれば料金が安くなるから〇〇新聞を購読しよう〟という組合決議が通用しないのと一緒だ。専有部はいわば排他的経済水域だ。誰もその使用方法について指示・命令などできない。記者の個人的な考えでは、専用使用権が認められているバルコニーでの喫煙を禁止する原始規約は違法ではないかと考えている。仮にそのような議案が提出されたら徹底抗戦する。人権無視だと。

 ただ、今回の事案は、何も裁判に訴えることではないと思う。話せばわかる問題だ。どこかで感情的な衝突が起き、双方が引くに引けない事態に陥ったのではないか。同紙もそのあたりを探るべきだった。それにしても、トップ記事よりタタミ記事のほうが大きいスペース配分は頂けない。バランス・美的感覚はどうなっているのか。

 H氏の居酒屋紹介も二週続けて読んだ。なに、またなくなった飲み屋の話? いよいよ過去に生きる人になったか。このコラムはよく読まれていると聞くが、そこに同紙の課題が集約されている。深刻に受け止めたほうがいい。

 週刊住宅のネコ市場。記者は、愛玩=哀感動物としてすっかり骨抜きにされている犬より、人間よりはるかに自立心の高いネコ、とくに誰にも媚びない野良猫が好きで、いつも顔を合わせると〝寒いのにお前も大変だなあ。しっかり食べてるか、彼女がいない? なに、去勢された? 〟などと会話を交わしていたのだが、最近はすっかり姿を見せなくなった。スズメすら見かけなくなった。近くのすし屋がなくなって数年。多摩市限定販売の名酒「原峰のいずみ」が買えた米屋・酒屋も店をたたんだ。

 どんどん住みづらい世の中になってきたというのに、いつも元気で人を馬鹿にしているのはカラスだけだ。小生はかみさんであろうと誰であろうと馬鹿にされても全然こたえないが、カラスだけは我慢ならない。鳥獣保護法に引っかかるので自分から攻撃することは控えているが、敵もさるもの、殺気を感じるのか襲ってこない。カラスの頭がいいのには頭にくる。

 さて、週刊住宅の記事。はっきり言ってつまらない。記者はもう30年くらい前、ペット裁判を取材したことがある。現地を見て裁判を傍聴し、原告、被告それぞれの側も取材した。そのとき書いたのは〝ペット飼育禁止を盛り込んだ原始規約を改めよ〟だった。主だったマンション管理会社に「ペット飼育は人権だ」と詰め寄ったが、どこも相手にしてくれなかった。当時、ペット飼育を認めていたのは鹿島建設「北赤羽」のほか数えるほどしかなかった。

 それが、平成7年ころだったか。手のひらを返したように「飼育可」にした。「ペット飼育は人権」を認めたわけでは断じてない。マンションの販促手段として用いたのだ。

 このような歴史を知っている記者は、ペットがもてはやされる時代を冷ややかに見ざるを得ない。いつ何時人権が脅かされるかわかったもんじゃない。

 両紙に言いたいのは、分かり切ったことを書くなということだ。小生はいつも「豚もおだてりゃ木に登る」記事を書こうと思っている。

「週刊住宅」地所ホームの記事が圧勝 不可解「住宅新報」野村不も東急不も触れず(2019/3/6)

 

 

 

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