鏡割りの記念写真に納まる左から宮腰氏、吉田氏、玉城氏
三菱地所は3月16日、既報の「みやこ下地島空港ターミナル」が竣工したのに伴う神事・竣工記念式典を行った。約400名が参加した。
冒頭、同社執行役社長・吉田淳一氏は、「沖縄県が戦略目標に掲げている世界トップレベルの観光都市の実現に向け総力をあげて整備に取り組んできた結果、世界屈指のリゾート地にふさわしい施設として整備できたと確信している。空間づくりには日建設計さん、施工は国場組さんと大米建設さん、インテリアデザインは乃村工藝社さんにお願いした。CLT材を利用してこれほど開放的で青い空と海にマッチした建築物は日本で初めてで、今後、ネット・ゼロエネルギー施設として『エコアイランド宮古島』を盛り上げていく」と語った。
吉田氏はまたCLT材を使用した仙台市の「高森」、隈研吾氏がデザイン監修した「晴海プロジェクト」にも触れ、「耐火・防火の現行法では木のよさを見える化できない難しい問題もあるが、海外では透明の耐火被覆が認められており、わが国でも実現する可能性は広がっていく」と、記者団の質問に答えた。
式典には、来賓として内閣府特命担当大臣・宮腰光寛氏、沖縄県知事・玉城デニー氏、宮古島市長・下地敏彦氏がそれぞれ祝辞を述べ、宮古市に縁の深い世界的オペラ歌手・中丸三千繪氏が「アヴェ・マリア」「ねむの木の子守歌」「ありがとう愛する友よ(ベルディ)」などを熱唱した。
屋根構造材を「現し」でできたのは、同社のCLT事業の推進役の一人、住宅業務企画部CLTユニット主事・海老澤渉氏によると「下地島空港の敷地は無指定地域ですので、分棟化して各棟の面積を小さくすることで準耐火建築物としています。また準耐火構造とした1-ロ準耐火(外壁不燃)にしたため、防煙区画は必要ですが、内装制限は受けていません」とのことだった。
◇ ◆ ◇
タクシーの運転手さんに聞いた。島の北部は民家などが多く、地価はそれほど上がっていないが、南部は空港整備が決定したころから上昇しており、海岸線を中心に土地の取引が活発だという。空港の土地は県有地とのことだった。空港に近い伊良部字国仲屋敷90番の2018年基準地価は3万6,363円/坪となっている。近く2019年の地価公示が発表される。宮古空港から車で30分くらいだったのが、羽田と結ばれるのだから大幅に上昇するのは間違いない。
AI清掃ロボット
地元紙はCLTを伝えなかった/主役の座を奪った中丸氏 音響効果は? (2019/3/17)