左から自然電力 風力・水力・バイオマス事業部長・花吉哲芝氏、ボーダレス・ジャパン副社長・鈴木雅剛氏、ウィファブリック社長・福屋剛氏、東京建物専務執行役員・福居賢悟氏、TBM代表取締役CEO・山﨑敦義氏、ユーグレナ特命担当室テクニカルディレクター・村花宏史氏、DG TAKANO代表取締役・高野雅彰氏
東京建物は4月19日、同社が運営するコワーキング・スペースとカンファレンススペースからなる「City Lab TOKYO(シティラボ東京)」で、サスティナビリティ特化型ベンチャー6 社を発起人とするベンチャーコミュニティ「City Lab Ventures(シティラボ ベンチャーズ)」を始動したと発表した。
発起人は、サステイナビリティへの貢献を事業の中核としているTBM、ウィファブリック、ユーグレナ、ボーダレス・ジャパン、DG TAKANO、自然電力の6社。4月19日から「City Lab TOKYO」を拠点に活動を展開していく。
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先月は三菱地所の「アクセラレータープログラムDemo Day」を取材した。訳の分からないことばかりだったが、それだけにワクワクさせられ、とても楽しい時間を過ごさせてもらった。
今回は、他の取材もあり場所を間違ったため、途中からの取材となった。会場に着いたときはユーグレナの村花氏のプレゼンだった。この会社は創業当時から注目していたが、わずか15年で東証に上場し、売上高は100億円を超える。ミドリムシ(ユーグレナ)をバイオに活用するなどという奇想天外な発想が面白い。
次のボーダレス・ジャパンの田口氏はいきなりプロジェクターに「資本主義」の文字を大写しした。マルクス・ガブリエル氏のような難解な哲学論でもぶつのかと思ったら、資本主義社会が抱える様々な社会課題を解決するという強いメッセージだった。田口氏はまた「当社は23の事業を展開しており、1つ紹介するのに5分はかかる」と話したように、ぶっ通しで2時間くらい話してもらってもよかった。
DG TAKANOの高野氏の話がまた面白かった。1000分の2の誤差しか許されない父親の金属加工技術を生かし、洗浄力を高めながら95%の節水を実現したノズルを開発したというではないか。バーチャル・ウォーターという考えがある。節水ノズルとバーチャル・ウォーターを融合させたら革命が起きる。記者が投資家だったらこの会社に投資する。
自然電力の花吉氏の話も説得力があった。地産地消の100%再生可能エネルギー事業を展開しており、社員約200人のうち40~50人は外国人の多国籍企業だという。こういう会社が社会を変えるのだろう。座布団3枚!
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東建へ。いま企業はESG、SDGsの取り組みに懸命だ。今回の「City Lab Ventures」はサスティナビリティに特化しているのがいい。三菱地所は先にスタートアップ企業やベンチャーキャピタルへの出資額が100億円に達したと発表した。負けないよう頑張ってほしい。
一つ問題もある。配布された資料に「CLT」があった。えっと思った。「CLT」は「クロス・ラミネーティッド・ティンバー(Cross-Laminated-Timber)」しか知らなかった。同社はそうではなく「City Lab TOKYO」の略だそうだ。今後の活動次第だが、国家事業の木造の「CLT」に飲み込まれるのは必至だ。存在感を示すためにもどんどん情報を発信してほしい。(先の三菱地所のイベントは酒のふるまいもあった)
無限の可能性秘める 三菱地所「アクセラレータープログラムDemo Day」(2019/3/26)