「プレイズ北千住」完成予想図
三交不動産が分譲中のマンション「プレイズ北千住」を見学した。駅から徒歩13分とややあるが、3月から分譲開始し、これまでに全78戸のうち約半数が成約済み。極めて好調に推移している。
物件は、東京メトロ千代田線・日比谷線・JR常磐線・東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩13分、足立区千住桜木一丁目に位置する14階建て全78戸。現在販売中の住戸(8戸)の専有面積は53.46~70.14㎡、価格は4,048万~5,698万円、坪単価は235万円。竣工予定は2020年2月下旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、墨堤通りに面した準工業地域だが、住宅・マンション化が進んでいるエリアの一角。建物は、道路に面した北東側を約6.4mセットバックさせ、南西側は隣地境界線まで約8.4~11.2mの駐車場、プライベートガーデンなどのスペースを確保。中層階からは隣接の帝京科学大キャンパス、墨田川が眺望できる。
住戸は全て南西向き。玄関に窓を設置し、風が流れるようにしているのが特徴の一つ。基本性能・設備仕様は、リビング天井高2500~2600ミリ、直床、食洗機、良水工房など。
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知らないことは恐ろしいことだ。初めて東京駅からJR上野東京ラインに乗った。北千住まで15分という近さに驚いた。北千住が「住みたい街」の上位にランクされるのはどうも胡散臭いが、都心へのアクセスの良さだけを評価すれば、人気になるのも分からないわけではない。
どうして初めて東京駅から乗ったのか。これは説明しないと分かってもらえないので、以下の馬鹿馬鹿しい話に付き合っていただきたい。
記者は東武伊勢崎線を木造の車両が走っていた頃から知っている。時間がゆったりと流れていた。ゆらゆらと効き目のない扇風機が頭上で回転し、ワックスの匂いが社内に充満していた。田舎弁をさらけ出し、だれとも協調しない伊勢出身の小生と相通じるものがあった。その後縁あってこの沿線に足げく通うようにもなった。マンションの見学回数もわが京王線を除けば他を圧倒しているはずだ。普通のサラリーマンが無理なく住宅を取得できる貴重な沿線だ。
ところが、習慣もまた恐ろしいもので、昔の東武伊勢崎線のイメージしかなく、都心からだとお茶の水、日暮里、御徒町、北千住などで乗り換えるコースばかりだった。乗り換えが不便なJR常磐線はほとんど乗らなかった。
今回は急いでいたのでネットで調べたら、何とオフィスがある東京から北千住までJRだと15分とあるではないか。15分と言えば東京-新宿だし、新宿-調布と同じだ。駅から3分の坪370万円台の三菱地所レジデンス「千住ザ・タワー」(184戸)は供給した130戸のうち9割を契約しているのも半分は理由が分かった。新宿、渋谷、品川もみんな30分圏内だ。(記者は都心への近さだけで街のポテンシャルを計らないが)
坪370万円台で売れるのだから、駅から徒歩13分の坪235万円のマンションが売れるのもまた当然ではないか。
駅から現地まではほぼ真っすぐで、歩道が賑やかなのもいい。マンションに近接する帝京科学大の女子大生が群れをなして歩いていた。「皆さんは歩くの苦にならないの? 」「全然、平気。痩せるし健康にいい」などと屈託のない笑みを浮かべ瞬く間に記者を置き去りにしていった。
都心への近さを優先する人には〝住むなら北千住〟はありかもしれない。
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街路樹についても一つ学んだ。都道の墨堤通りは名前の通り、墨田川の堤防沿いに整備された道路で、住居表示に「千住桜木」とあるのは通り沿いにサクラが植えられていたのだろう。
ところが、不思議なことに道路沿いのサクラは八重桜でみんな樹齢が若かった。記者のように年老いて樹勢が衰えたために植え替えられたのだろうと思い、都の街路樹担当に聞いた。
そうではなかった。従前はスズカケノキ(プラタナス)だったのだが、電線地中化のために2~3年前にサクラに植えられたもので、道路・歩道幅も広くないため種類も枝がまっすぐ伸びる「天の川」になったのだという。
スズカケノキは公害に強いとの理由で56年前の1964年東京オリンピックのときにたくさん植えられたのだそうだ。
そしていま、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて「東京都無電柱化推進計画」に基づき電線の地中化が進められており、スズカケノキは管理がし易い他の樹木に変更されつつあるという。