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2019/05/21(火) 11:58

半年で330~340戸成約 驚嘆すべき売れ行き 全678戸の野村不「吉祥寺」

投稿者:  牧田司

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「プラウドシティ吉祥寺」完成予想図

 前回の「プラウド南阿佐ヶ谷」に続いて、売れ行き好調の野村不動産「プラウドシティ吉祥寺」を紹介する。吉祥寺駅からバス便の全678戸の大規模だが、約半年で330~340戸を成約するなど驚嘆すべき売れ行きだ。

 物件は、JR中央線吉祥寺駅から徒歩23分(バス約10分)、三鷹市下連雀五丁目に位置する敷地面積約26,405㎡、8階建て全678戸。専有面積は68.59~83.70㎡、坪単価は262万円。売主は同社のほか日清紡ホールディングス(土地売主)。竣工予定は2020年1月中旬。施工は長谷工コーポレーション。

 同社は昨年12月、第1期140戸を即日完売したと発表しているが、その後も順調に売れており、これまでに370戸を供給し、330~340戸を成約している。来場者は約3,600組。

 現地は、日本無線三鷹製作所の跡地。敷地内に商業施設、認可保育園、学童施設、バス停を設けるとともに、既存樹の樹高25mのヒマラヤスギ2本をエントランスに残し、緑地率を30%超に高め、「ABINC認証」を取得することなどが特徴。隣接地には同社のシニア向け住宅(サービス付き高齢者向け住宅)も建設する。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2.45(3階以上)~2.5m(1・2階)、御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、Low-Eガラスなど。

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バス停とヒマラヤスギ

◇      ◆     ◇

 吉祥寺、または三鷹駅からバス便の三鷹市内のマンションの取材を20件くらいはしたはずだ。売れ行きがよく印象に残っているのは大成有楽不動産「オーベルグランディオⅠ」(177戸)、「オーベルグランディオ吉祥寺II」(284戸)だが、緑被率の高い住友不動産「シティテラス吉祥寺南」(268戸)もいい物件だった。

 価格上昇局面の数年前、同社は数百戸単位の完成在庫を出し利益率も落としたが、ここにきてまた勢いを取り戻しつつある印象を受ける。その原動力はやはり商品力であり販売力だ。

 「吉祥寺」の販売事務所は商品特性をよく表現できている。第一に「住みたい街ナンバーワンの吉祥寺」を前面に打ち出していることだ。バス便は苦にならないどころか、徒歩でも駅に着くことを訴え切れているのも奏功しているのかもしれない。資料には「井の頭公園」には徒歩5分とあり、バス便についても、「徒歩0分」に屋根付きのバス停を設けるとある。(デベロッパー各社は〝駅近〟を強調することは一方では自らを苦境に陥らせることを理解すべき)

 4×6mもある巨大な360分の1のジオラマ模型は立地特性を分かりやすく見せている。別のやはり同じくらいの大きさのマンションの模型、壁面展示では低木も含め2万本の植樹をおこない、緑被率を高め、充実した共用施設の〝見せる化〟も図っている。

 水回りを共用廊下側に配した排水竪管から最大14m離しても設置可能な排水システム「Mi-Liful(ミライフル)」を採用し、水回りをバルコニー側に設置した2つのモデルルームの出来もいい。

 競合すると思われる定期借地権付きの「三鷹」のマンションと比較し、所有権付きの優位性もしっかりと訴えている。

 さて、ひとつ提案だ。半年で半分売れたのだから、残りも半年で完売できればいいのだろうが、そう簡単ではないはずだ。わずか半年で992戸を完売した「富久クロス」では、ユーザーから募ったアイデアを1000個の「イゴゴチ」にまとめ、シアターには「第九」の音楽を流した。長いマンションの歴史で「第九」をシアターに流したのは後にも先にもこの物件しかないはずだ。

 「富久クロス」で「第九」を流したのだから、今度は記者の好きなヘンデル「水上の音楽」はどうか。井の頭公園の池、住宅地内の緑のテーマにぴったりではないか。バラの香りを館内に漂わせれば来場者は感動するはずだ。アルプスの爽やかな風も吹かせたらどうか。

 気になったことも一つ。建物の高さ25m規制だ。この物件に限ったことではないが、高さ規制を緩和して公開空地を増やしたほうがはるかにマンションも街もよくなるはずなのに…。

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木造ゲストハウス

野村不他「プラウドシティ吉祥寺」第1期140戸が即日完売(2018/12/4)

グロス価格はやや張るが坪単価は〝旧価格〟 大成有楽「吉祥寺Ⅱ」(2015/1/27)

 

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