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2019/05/25(土) 13:35

緑に囲まれた心地よい暮らし提案 リノベマンションで展開 コスモスイニシア

投稿者:  牧田司

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イメージ図

コスモスイニシアは524日、「& plants life」をコンセプトに、緑に囲まれた心地よい暮らしを提案するリノベーションマンションの展開を開始し、第一弾の「ドルチェ大森山王」の販売を開始したと発表した。

フラワーショップ「青山フラワーマーケット」を運営するパーク・コーポレーションの空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」とコラボレーションし、植物を設えたインテリアデザインを施し、毎月花またはハーブを届けるサービスを提供する。

「ドルチェ大森山王」では、リビング天井に京都の伝統工芸である京金網「金網つじ」製のオリジナルプランターを吊り下げ、ダイニングにはテーブルにつけられるプランターを設え、ハーブなどをその場で収穫し、料理に添えることで食卓を豊かに彩る。玄関にはマンション中庭のシンボルツリーをイメージした植栽を設え、寝室には心地良い水音と一輪挿しを合わせ、五感で自然を感じられる空間としている。

       ◆     ◇

 パーク・コーポレーションについて触れよう。同社の売上高は2008年に48.1億円(店舗数71店)だったのが、2018年は84.2億円(同103店)へ75%も増加している。三井不動産の20193月期売上高は18,611億円で、20093月期の13,600億円と比べ37%の増加だ。

花き業界と不動産業界を単純に比較はできないが、リーマン・ショック後の景気の後退を受け、花き出荷額は漸減している現状を考えれば同社の伸張は注目すべきことだし、わが業界にも参考になるはずだ。

伸長の秘密は、同社の井上英明社長のブログにあるような気がする。以下、いくつか紹介する。

「常に常にお客様の立場から考える、花屋の立場からお客様のことを考えるのではなく、レジを出てお客様の横に立って同じ目線で考える。ただただお客様のことだけを考えて判断して欲しいと思います。店長の立場や社長の立場などは決して考える必要はありません」

「お客様は、モノとして花を求めていらっしゃる訳ではありません。ディズニーランドと同じ様に、素敵な時間空間が欲しくて、花を求めにいらっしゃるのだと思います」

「花の本質、それは時間であり空間、一言で言えば‘Time & Space’と言えると思います」

「お客様の喜びを自分の喜びと感じられるような価値観を持った人間の集まりでありたいと思います」

「利益だけを考えたら、1輪のバラを100名のお客様に提供するより100本のバラの花束を一人のお客様に提供した方が楽でいいに決まっています。350円の小さなブーケを100個作って100名のお客様に接客するより、35000円のラン1鉢を販売した方が楽に決まっています。しかしそれでは我々の存在意義がないと思います」

park corporationは基本理念を大切に、人間にとって当たり前の環境と考える花や緑に囲まれた心ゆたかな生活を『一人でも多くの方に』届けたいと真に願っており、日々各店にご来店いただいたお客様の数を把握するようにしています」

どうだろう。デベロッパーの分譲事業と同じではないか。モデルルームは〝モノ〟ではあるが、同時にこのマンションを購入すればどのような〝素敵な時間や空間〟を過ごせるか、プロとして提供するサービスでもある。

用地・建築費の上昇で基本性能・設備仕様はどんどん低下している。床も壁も建具・家具もみんなケミカル製品だ。だからこそ、モデルルームに飾る観葉植物は本物を使用してほしい。

本物の植物は高い、管理が大変、長持ちしないなどと考える人は多いが、そんなことはない。小生の自宅の専用庭にほったらかしにしているサボテンは50年くらい経つし、スパティフィラムはどんどん増殖を続けている。

 添付した写真は、オフィスの小生の机の上に置いているポトスだ。定期的に観葉植物を手入れしにくる業者さんが剪定して捨てるポトスの葉っぱを貰って、ペットボトルに入れて育てたものだ。水遣りは2週間に一度。これで2年くらいか。枯らしたことは一度もない。白い花はどこの道端にも咲いているドクダミを摘んできたもの。つまり全てただ。

 小生がマンションの販売担当だったら、雑草として見向きもされない草花を摘んできて、「ほら、これがイヌノフグリ(女性には気を付けたほうがいいが)」「ニワゼキショウってこんなにかわいい」「ドクダミはみんなに嫌われるが、お客さまみたいに(おばあちゃんに対しては逆効果)とても可憐でしょ」「この土筆は原爆にも負けなかったのですよ」などと会話を交わす。

 井上社長の「350円の小さなブーケを100個作って100名のお客様に接客するより、35000円のラン1鉢を販売した方が楽に決まっています」はヒントになる。モデルルーム来場者数の把握は、〝一人でも多くの方に豊かな暮らしを提案したい〟からと言い切れるかどうか考えたほうがいい。

 分譲価格にオンされる「商品券」のプレゼント(実質的に購入価格の先払い)などもやめたほうがいい。

 高くない歩留まり率を念頭に、できるだけたくさんの来場者を集め、掬い取ろうという底引き網漁法は根本的に改めるべきだ。疲弊するだけだ。

 コスモスイニシアの「parkERs」とのコラボが素晴らしかった戸建て「グランフォーラム練馬田柄」の記事を添付する。「ドルチェ大森山王」も見学してレポートする予定だ。

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記者のデスクに置いているポトス

 

パーク・コーポとコラボ 空間デザイン秀逸 コスモスイニシアの戸建て「練馬田柄」(2017/11/7

 

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