大和ハウス工業が分譲中の戸建て「セキュレア四谷三栄町」を見学した。四ツ谷駅から徒歩8分の3階建て全8戸。マンションやペンシル戸建てに飽き足りない戸建て派に支持されると見た。
物件は、JR中央本線四ツ谷駅から徒歩8分・東京地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩8分、新宿区四谷三栄町の建ぺい率60%、容積率300%の第一種中高層住居専用地域に位置する開発面積854.91㎡の全8戸。現在分譲中の住戸(2戸)の敷地面積は88.62・89.82㎡、建物面積は103.08・118.40㎡、価格は13,150万・16,970万円。建物は木造3階建て、完成済み。4月から分譲を開始し、これまでに4戸が成約済み。
現地は、新宿通りから一歩入った閑静な住宅街の一角。電柱の地中化とインターロッキング舗道が整備された三栄通りからすぐ。一帯は第一種中高層住居専用地域だが、建基法の道路制限、斜線制限、日影規制などを受けるためか高い建物はほとんどなく、2~3階建ての戸建て・マンションが建っている住宅街。
敷地の従前は賃貸マンションで、開発道路を整備し、敷地を25坪以上とし、延床面積を100㎡以上確保しているのが特徴。
同社東京本店 住宅事業部 東京分譲住宅事業部所長・中岡敬典氏は「都心部の分譲戸建ては敷地面積が20坪以下の3階建てが多いが、最低25坪を確保し、建物も30坪以上としたプランが、ペンシル戸建てに満足されない富裕層の方に響いている。億ションと比較しても管理費、駐車料金などを加味すると月額返済額は同等かむしろ安いくらい。同様の戸建て計画をあと2カ所で進めている」と話した。
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「四谷三栄町」の住宅街に足を踏み入れたのは初めてだった。隣接する「荒木町」は以前よく飲み歩いたところで、道路が狭く坂も多く袋小路になっているので、一つ間違うと目的地にたどり着けない。行きつ戻りつした経験がある。
「四谷三栄町」にもそんなイメージしかなかったので、「荒木町」とは全く異なる街並みの落差に驚いた。
仮に、現地にマンションを建てたら坪単価は450万円になるとはじいた。30坪で1億3,500万円だ。この価格と比べても同社の戸建ては〝安い〟と思った。中岡氏が話した通りだ。購入者も同じように考えたのではないか。最近は敷地面積が20坪以下の狭小住宅がかなり分譲されているようだが、そのような住宅購入者と明らかに異なるははずだ。
一つ考えたのは、もう少し設備仕様レベルを上げて億ション並みにしたらどうかということだ。仮にマンションで坪500万円のエリアなら20坪で1億円として、戸建てなら30坪で2億円というのは釣り合うのではないか。同社にはぜひ挑戦してほしい。