長谷工ライブネットは10月25日、「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2019年版(THE RENT MARKET RATE)」を完成させたと発表した。同社が管理している約4.5万戸の賃貸マンションの成約データのほか信頼できるデータ約37万戸を対象に分析したもの。
調査によると、単身者タイプ(面積25㎡換算)のエリア別の平均賃料相場では、都心5㎞圏では南西エリアの港区が12万円台(坪約1.6万円台)でもっとも高く、次いで千代田区・中央区・新宿区が11万円台(同1.5万円台)の賃料水準となっている。
単身者タイプの賃料相場ランキングを見ると、「赤坂見附」・「永田町」・「表参道」駅が151,000円(同19,932円)で1位。東京都下では「吉祥寺」駅が101,000円(同13,332円)、神奈川県では「元町・中華街」駅が100,000円(同13,200円)、埼玉県では「浦和」・「大宮」・「和光市」駅が77,000円(同10,164円)、千葉県では「新浦安」駅が88,000円(同11,616円)でそれぞれ1位となっている。
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同社の調査によると、首都圏の都心から30キロ圏の単身者タイプの賃貸坪単価はほとんど1万円台に乗っている。年間賃料収入は12万円だ。賃貸住宅の実質利回りがどれくらいかよく分からないが、低めの3%とすると土地代込みの投資建築費(購入費)は坪400万円で、5%としても坪240万円となる。
これと分譲マンションとを単純に比較することはできないにしろ、相対的に質が劣る賃貸住宅の賃料が高くなってくると、賃貸を脱出し分譲に走る傾向に拍車がかかる。
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同社には、是非ともセーフティネット住宅についても調査しレポートしてほしい。同制度は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者に対して入居を拒まない住宅を登録し、国や地方公共団体がバリアフリー化に対する改修費補助、家賃保証を行うものとして鳴り物入りで制度化された。国は2020年度までに17.5万戸の登録を目指している。
しかし、登録制度が始まった2017年10月から現在(2019年10月25日)まで登録されているのは約1.3万戸に過ぎない。目標の10%以下だ。
なぜ増えないのか、どこに問題があるのか、だれも書かない。記者は昨年、現場を取材したことがあるが、これは新たな貧困ビジネスだと思った。このまま放置すると、貧乏人を食い物にするこの制度が隠花植物のようにはびこることになる。添付した記事もぜひ読んで頂きたい。
坪3.5万円!億ション以上 現地見ずに家賃判断 審査は適正か セーフティネット住宅登録制度(2018/11/9)