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2019/12/10(火) 22:43

〝金物に負けない『INOCHI』〟 宮大工の技術 一般住宅に採用 創建グループ

投稿者:  牧田司

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印西牧の原モデル

 創建とグループ会社の北海道・木の城たいせつは12月10日、神社仏閣の建築に用いられてきた木組み工法の伝統技術とプレカット技術を融合させることで、自然災害に強く快適な住空間も確保した「千年品質伝統工法の家Kinoshiro2020『INOCHI』」を来年から販売すると発表した。

 「千年品質伝統工法の家Kinoshiro2020『INOCHI』」は、①木組みによる伝統工法を採用②超高耐久③災害に強い④持続可能⑤命を守る⑤宮大工技術の後世への継承-の6つを約束し、有事の際の停電や断水時にも生活を続けられるようソーラー発電、空気製水器、蓄電池、津波シェルターを装備する。

 住宅は内と外に断熱材でくるむことで断熱、省エネ性能を高めたパーフェクトW断熱を採用。資産価値の維持のために、人間ドックと同じように定期的メンテナンスを適切に行えるよう家ドックシステムも搭載する。

 千葉県印西市と京都府京田辺市の分譲地内でモデルハウスを公開する。販売価格は2,000万円から。

 記者発表会に臨んだ同社代表取締役会長・吉村孝文氏は、甚大な被害を受けている最近の自然災害について触れながら、「住宅は家族の命、安全を守る安らぎの場。グループの総力を結集し、全国のフランチャイズ会社とも連携しながら命を守る住宅を全国に普及させていく」と語った。

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吉村会長(左)と吉村社長

◇       ◆     ◇

 敷地が十数坪、中古になったら果たして何年流通するのかと疑わざるを得ない狭小分譲住宅・ミニ開発が跋扈する今、〝千年住宅〟を同社は敢えて打ち出した。

 受け取り方は様々だろうが、吉村会長は、築後千四百年以上経過する世界最古の木造建築物「法隆寺」の例を引き合いに出し、宮大工の伝統技術を途絶えさせてはいけないと訴えた。

 創業して初めて24億円の赤字を出した11年前のリーマン・ショック時に破綻した北海道・木の城たいせつと出会い、その技術を守りたい一心から私費を投じ買収し、苦労を重ねながら再生軌道に乗せたことや、毎年1棟ずつ宮大工の技術を注ぎ神社を再生する復興プロジェクトに取り組んでいることを諄々と語った。

 しかし、これまで10回くらい木造耐力壁の強度を競う大会を取材してきた記者は金物を使用しない住宅などあり得ないと思った。金物を使わない壁のよさは分かるが、金物を使用した壁にことごとく敗れたのを目の当たりにしている。

 なので、木の城たいせつ・吉村直巳社長に「美しいのは分かるが、金物には勝てないのでは」とストレートに質問した。吉村社長からは「試験では金物が先に壊れた。しっかりデータも取っている」と返ってきた。補強材のやとい、こみ栓には堅くて粘りが強いカエデ属の「イタヤ」が使われているそうだ。

 常識を覆す〝金物に負けない〟宮大工の木組み工法を消費者に浸透させるのは容易なことではないだろうが、応援したい。

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金物工法(左)と伝統工法の違い

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モデルハウス

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