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2020/03/05(木) 17:04

「従来型ビジネスモデルはもはや立ちいかない」大和ライフネクスト・石﨑順子社長

投稿者:  牧田司

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石﨑氏

 大和ハウス工業は3月4日、メディア向けの第12回業界動向勉強会を開催した。今回のテーマは「マンション管理」で、大和ライフネクスト代表取締役社長・石﨑順子氏がマンション管理業界の課題となっている「4つの高齢化」などについて話したほか、同社が管理・運営する企業向け独身寮「エルプレイス南砂」の見学会を行った。参加者は約30名。マンション管理業協会の恒例の記者懇親会より多いほどだった。

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 大和ライフネクストは、連結8社の総称として「ライフアメニティカンパニーズ」を掲げており、2019年3月期の売上高は1,053億円、従業員数12,369人。売上高の65.4%がマンション管理。管理戸数は約36万戸で、管理戸数ランキングは第5位。

 石﨑氏は、マンションの建物の老朽化と区分所有者の高齢化による「2つの高齢化」に加え、「従業員と従来型ビジネスモデルの高齢化に襲われており、もはや従来型のビジネスモデルでは立ちいかなくなった。『4つの高齢化』は深刻」と述べた。

 管理員のボリュームゾーンの年齢は67歳、登録管理員(代行員)は71歳がそれぞれピークで、管理員の採用倍率は8年前は約35倍だったのが、現在は約5.6倍となっており、人材確保が難しくなっており、最低賃金上昇は価格(管理費)に転嫁せざるを得なくなっていると話した。

 こうした問題を解決するためには、管理会社単独では難しく、同業を含めた連携が必要と語った。業界再編は必至とも話した。

 同社は昨年12月、業界初の「マンションみらい価値研究所」を設立した。様々な課題を解結するためのデータなどを収集する目的だ。高経年マンション向けの啓蒙・支援活動や透明度の高い設計監理方式による修繕工事支援活動を積極的に行い、省力・省人・省コスト・IT活用など新しい管理手法の開発に力を注いでいるとした。

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第12回業界動向勉強会(「エルプレイス南砂」で)

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 記者は3年前、大京アステージの協力を得て公共職業安定所(ハローワーク)の就職フォローアップ事業の一つ「マンション管理員業務講習会」を取材した。「マンション管理の仕事がどのようなものか全く知らないのに〝マンションは管理を買え〟などと話したり記事を書いたりするのが管理員や購入検討者に失礼だと思い、少しでも実際の仕事内容を理解するために取材を大京広報担当者にお願いし、快く引き受けてもらった」と記事に書いた。掃除の技術の高さには〝目から鱗〟だった。

 講習会の講師を務めた大京アステージの春田道雄氏もそうだったが、二言三言、言葉を交わしただけで気分がよくなるラグュアリーホテルのホテルマンと同レベルの管理員を記者は知っている。その一方で、顔を見合わせるのも嫌になる管理員もいるが…。

 管理会社に対して。マンション居住者や管理組合、メデイア向けの情報発信が圧倒的に少ないのではないか。社会的地位の向上を叫んでも、管理員の仕事の実態を伝えられなければ理解されないと思う。管理組合と共催して現場見学会などのイベントを行ってはどうか。座学で得られるものはたかが知れている。

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