ポラスグループ中央住宅が4月下旬に分譲する「ルピアコート大宮フィオーレ」を見学した。大宮駅から徒歩12分の全75戸で、同社の〝十八番〟ピアキッチンを進化させ、扉と棚を組み合わせた「AKUNDANA(アクンダナ)」を標準装備したプランが秀逸。間違いなく大手と互角に勝負できるマンションだ。
物件は、JR大宮駅から徒歩12分、さいたま市大宮区大成町二丁目の第1種住居地域に位置する7階建て75戸。専有面積は67.20~86.69㎡、価格は未定。竣工予定は2021年2月下旬。売主は同社のほかファーストコーポレーション。施工はファーストコーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
特徴の一つは、実用新案取得済みの「AKUNDANA(アクンダナ)」を標準装備していること。ドアの扉に多目的に利用できる棚を設置し、ほぼ同じ大きさの棚とセットで壁面を演出している。人気の「ピアキッチン」を採用しないタイプに採用することで、売れ行きに差を出さないのが狙いだ。
「ピアキッチン」そのものも進化させている。従来は冷蔵庫を食器棚と一緒に壁面に設置していたが、今回は冷蔵庫置き場をキッチンの隣に移すことで食器棚とキッチン幅を約115cmから約80cmに縮め、その分だけダイニング・リビングスペースを広くした。間口が狭くても対応できるのがみそだ。
もう一つ、ベランダの物干し金具を1つ追加することで、物干し量を2倍にした。
同社マンションディビジョン部の西牟田奈津子氏は、「モデルルームオープンは3月20日から。すでに2週間60席が予約で満席」と話した。
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同社のマンションはこれまでたくさん紹介してきた。その極めつけはこの前書いた「ルピアグランデ浦和美園」だ。
今回の「大宮」も基本的には同じ商品企画だが、「AKUNDANA(アクンダナ)」や物干し金具の増設は記者も完全に意表を衝かれた。
居室ドアに棚を設けることなど誰も考えない。しかも、同じものを隣り合わせで設置することでデザイン性を高めている。見た目は飾り棚だ。難点は、棚に絵本などを置くことでドアは重くなり、閉めたときに音がすることだ。
ピアキッチンは申し分ない。外廊下側の浴室には窓がついており洗面室-パントリー-キッチン-リビング-ベランダへ風が流れるようにしている。
物干し金具を2本から3本に増やせば干せる量は2倍に増えるのは当たり前だが、これまで本数を数えたことなど全くない。
これらは家事労働を経験していないとまず浮かばないアイデアだ。
肝心の坪単価はいくらになるか。「書かないで」と言われたので書かない。商品企画そのものは間違いなく大手物件と互角に戦える。問題は駅からのアクセスだ。これは「シントシティ」には負ける。勘を働かせていただきたい。記者の予想は的中するはずだ。