先月末から入居が始まった都内最大級トリプル免震タワーマンション住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」を見学した。全1,539戸のうちこれまで1,230戸が分譲され、契約済みは837戸。販売担当の吉野秀邦氏は「これほどの大規模で9割がワイドスパンのマンションなど他にない。最強の間取り」と自信たっぷりだった。
物件は、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分、江東区有明二丁目に位置する敷地面積約32,628㎡の32階建てウエストタワー、33階建てセントラルタワー、33階建てイーストタワー3棟からなる全1,539戸。現在販売中の住戸(402戸)の専有面積は38.02~100.62㎡、価格は5,000万~16,000万円(最多価格帯6,100万円台)、坪単価は380万円。建物は完成済みで、入居開始は2020年2月27日。設計・施工は前田建設工業。
敷地は、2010年12月、都市再生機構と東京都港湾局及び都市整備局から取得した全110,188㎡のうちのマンション部分。敷地北側には、200店超の店舗が揃う商業施設、大規模ホール、劇場(劇団四季)、ハイグレードホテル、温浴施設などで構成する「有明ガーデン」が整備される。豊洲駅までのシャトルバスも運行する。
建物の特徴は、免震構造、白と黒のコントラストが印象的な3棟シンメトリー、内廊下方式、東西400m以上にわたる緑の回廊、マンションと商業棟をつなぐペデストリアンデッキ、ダイナミックパノラマウインドウ、ワイドスパンなど。プランは3LDKが約50%、1~2LDKが50%。
その他基本性能・設備仕様は、リビング天井高2600mm、ワイドスパン、二重サッシ、Low-Eガラス、御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、ミュージックリモコントイレ(LIXIL)など。
契約者の属性は、①30~40代の働き盛りの会社員世帯(ファミリー、プレファミリー)が約7割②江東区、中央区居住者が46%と多く、湾岸エリアからの買い替え層も多い③都心3区を中心とした都心勤務者が多数、全体の半分超-など。
吉野氏は、「社内での評価も高い。オリンピックの延期の影響はむしろプラスに働く。売り急ぐことなく、丁寧に販売していく」と語った。
◇ ◆ ◇
同社が2010年12月に用地を取得したときは、容積率1種当たり42万円だったのでずいぶん〝安値〟で取得したと思った。しかし、その直後、3.11に見舞われ、湾岸マンションも大きな液状化風評被害で打撃を受けた。
記者は震災直後、液状化の被害状況を見るため、豊洲-有明―東雲-辰巳を数時間かけて歩いた。都営辰巳団地は大きな被害を受けたが、その他は地盤改良がしっかり施されているためか〝軽微〟だったことを確認している。ただ、「有明」は何もなく、分譲は苦労するだろうと思った。
同社が2017年に販売開始したときの坪単価は320~330万円だったはずで、〝リーズナブル〟な価格だとおもった。ところが、「晴海市場」の開業間近になって移転問題が持ち上がった。同社のマンション販売も少なからず影響を受けたはずだ。
こうした紆余曲折を経て入居が始まった。販売開始から2年余りで800戸超の成約は、順調に販売が進んでいるとみていいのではないか。
取材して何よりも嬉しかったのは吉野氏の〝元気〟だった。ワイドスパンを端的に表現した「最強の間取り」をはじめ「千代田区のスーパーサラリーマンが買っている」「都心と比べたら価格は半値」「駅近で商業との複合は他の湾岸にはない」「北側は都心方面、南向きは海が一望できるリゾート」「社内でも記念碑的物件として評価されている」-など景気のいい言葉がポンポンと飛び出した。
現場取材が激減し、新型コロナの感染拡大に打ちのめされている記者を元気づけてくれた。
◇ ◆ ◇
同社のマンション販売状況、商業施設の開業、駅前の大和ハウス工業のホテルの開業などによって恩恵を受けそうなのが、東京建物「Brillia Tower 有明 MID CROSS」300戸だ。こちらも取材して紹介したい。
彼らに濃厚接触は関係ないのか(有明駅前で)
好スタート 第1期は330戸 住友不「シティタワーズ東京ベイ」 プラン秀(2017/8/1)
都営辰巳団地は軒並み20~30㎝地盤沈下 液状化被害 ~現地ルポ~(2011/4/7)