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2020/07/29(水) 17:57

意外な展開へ 不信任か議会解散か 石川千代田区長が購入した三井レジ「三番町」問題

投稿者:  牧田司

  三井不動産レジデンシャルが2015年末~2016年春にかけて分譲した千代田区三番町の「パークコート三番町」を千代田区・石川雅己区長がご家族の方と共同購入した問題が、とんでもない方向へ発展している。以下、経緯を伝える日経新聞の記事。

「東京都千代田区議会は27日、石川雅己区長が通常は一般販売されない区内のマンションを家族と共同購入した問題に関連し、区議会の調査に対して虚偽を述べ正当な理由なく証言を拒んだとして、地方自治法違反(偽証、証言拒否)の疑いで同氏を東京地検に告発する方針を決めた」(7/27付)

「東京都千代田区の石川雅己区長は28日、区議会の解散通知を議長に提出した。区議会が27日に可決した同氏を地方自治法違反(偽証、証言拒否)の疑いで刑事告発する旨の決議が不信任議決に当たると判断した。ただ区議会は『不信任議決ではなく通知は無効』として解散に応じない考えで、双方の主張が対立している」(7/28付)

       ◆     ◇

 議会解散が有効か無効かはさておく。(地方自治法では議会が不信任決議を行った場合、長は10日以内に議会を解散するか辞職するかを決定できる)

 ただ、616日に行われた千代田区百条委員会後の囲み取材に対し、「このマンションは販売に非常に苦戦していたようで、価格も下がっている」(74日付東洋経済ONLINE)と石川区長が語ったのであれば、これは事実かどうか疑わしいし、仮に「販売に苦戦」「価格も下落」していたから購入したというのは「販売が好調」「価格が上昇」していたから購入するのと同様、〝疑惑〟とは全然関係ない。

 少なくとも、販売は極めて好調に推移したことだけは断言できる。添付した記事を読んで頂きたい。このマンションは全92戸(分譲は89戸)をわずか4か月くらいで完売している。坪単価は600万円で、当時の相場や周辺環境、物件の設備仕様レベルからして、記者はものすごく〝割安感〟があると判断し、〝まだ間に合う 今週末が最終分譲〟なる見出し記事を書いた。三井不動産レジデンシャルが「販売に非常に苦戦していた」とも「(設定)価格も下げた」とも聞いていない。同社は「適正価格」と答えるはずだ。

 議会が問題にしているのは、「区議会の調査に対して虚偽を述べ正当な理由なく証言を拒んだ」ためであるので、石川区長やご家族の方がこのマンションを購入すること自体まったく問題はないはずだ。記者は〝いい買い物をされた〟と思う。石川区長はこのほか4物件も購入されているというから相当のお金持ちなのだろう。

 また、このマンションは「千代田区の総合設計制度の認定を受け、地区計画の高さ規制50mより10m高い容積緩和を受けている。制度iに適合するよう専有面積を50㎡以上とし、4方に公開空地を設け、防災性能を高めているのが大きな特徴」とも記事に書いたが、その認定を受けたマンションを区長やその家族が購入することも違法ではないはずだ。

 問題があるとすれば、「事業者協力住戸」を区長ら家族の方が購入したことだろう。「事業者協力住戸」は一般的に地主や、その事業に協力した個人・法人などに優先的に割り当てられるもので、明確な定義もなく、基本的には誰に売ろうが、あるいは売るまいが(差別的な理由は違法とされるケースもあるだろうが)デベロッパーの勝手だ。いくらで分譲したかも公表されない。(かつて住宅金融公庫付きマンション制度があったときは、必ず公告して申込者が複数の場合は抽選するよう定められていたが)

 その意味からしても、区長らが購入したこと自体法的に問題はないはずだ。もちろん、地位を利用して価格を下げるよう、あるいは利益を誘導するような契約を強要すれば話は別だろうが…。

 さて、どのような展開を見せるか。区は区民全員に一律12万円の特別支援給付金支給を盛り込んだ補正予算案を上程した。議会が解散したらご破算となるのか、区長が辞任したらどうなるのか。

 まだ間に合う 今週末が最終分譲 三井不レジ「パークコート三番町」(2016/3/10

 

 

 

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