ここ最近、東京都の新型コロナ感染者は「家庭内感染」が増えているとの報道が目立つ。東京都の年代別・性別属性データからもそのような傾向を読み取ることができる。家庭内での三密は避けられず、悩ましい問題だ。
別表・グラフは、2週間ごと合計過去6週間の感染者の推移を表したものだ。
6週間を通じてもっとも多いのは4,203人の20代で、全感染者約11,000人のうち37.1%を占める。次いで多いのが2,632人の30代で、比率は23.2%。この20代と30代の感染者比率は60.3%に達する。他の年代では20代未満が5.2%、40代が13.8%、50代が9.6%、60代が5.0%、70歳以上が6.1%となっている。
これを2週間ごとに見ると、猖獗を極めた7月19日~8月1日、8月2日~8月15日までの20代はそれぞれ1,600人を超え、比率的には40%前後に達している。ところが、8月16日~8月29日間は982人と全2週間前より632人も減少、全体に占める比率も31.5%へ低下している。
30代も20代と同じような傾向を示しており、感染者の減少、感染比率の低下が著しい。40代の感染者もこの2週間は前2週間前と比べ21.0%減少している。
一方で、20歳未満、50代、60代、70歳以上のこの2週間の感染者は4週前と比べると、それぞれ27.7%、12.8%、23.8%、34.9%増加し、全感染者に占める割合も4週前の21.3%から33.0%に増えている。
このように、20代、30代の層の感染者が大幅に減少し、年少者、高齢者の感染者が増加していることから、都は家庭内感染が増加している理由にしていると思われる。ただ、感染経路不明比率は5~6割に達していることを合わせて考えると、データ的には根拠はやや薄いと思えるがどうだろう。
若い層の感染者が減少しているのは、8月3日から8月31日までの飲食店、カラオケ店の営業時間を朝の5:00から夜の22:00までとする都の要請効果が表れているといえそうだ。