伊藤忠都市開発は9月10日、既報の「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を報道陣に公開した。同社を含めて日本橋-銀座-有楽町には8社のギャラリーがあるが、設備仕様レベルは断トツ、突き抜けており、今後供給する坪単価400万円以上の物件にふさわしいものであるのは間違いない。
入った途端、最初に組子デザインの壁が目に飛び込んできた。触って確認した。もちろんケミカル製品ではなく本物の木が使われていた。海外アワード受賞歴を持つ「村山木工」の指物師が手掛けたホール格子スクリーンだった。
ほぼ中央にでんと据え置かれていた約1m×10mのテーブルがまた凄かった。本物のウォールナットを二つに割って左右対称にする〝ブック張〟に、レジン(樹脂)を埋め込んで仕上げた「米澤木工所」による特注品だという。値段は教えてくれなかったが、これだけて数百万円はしそうだった。12卓の椅子も本皮を張った立派なものだった。
接遇ブースは全部で6か所。京友禅工房「三才(さんさい)」の西陣織クロス、元禄元年創業「細尾(ほそお)」の西陣織クロス、吉祥の和文様を織り込んだ鶴の白磁、ブルーに染めた左官土壁に水連の金物アートはみんな芸術品であることは素人でもわかった。
約67㎡のコンセプトルームの仕様レベルは、坪単価400万円以上のものであるのは間違いない(1,000万円レベルではない)。9月5日(土)から事前案内会を開始した「クレヴィア上野御徒町」は坪単価400万円、「クレヴィア山吹神楽坂」は坪単価450万円、「クレヴィア日本橋水天宮前HAMACHORESIDENCE」は坪単価460万円だそうだから、ぴったりだ。
同社都市住宅本部都市住宅事業第一部都市住宅事業第二課・高栁勇斗氏は、「室内は『CREVIA(クレヴィア)』ブランドのブルーを多用し、空間設計デザインは外資系ホテル、レストランなどを手掛けているDESIGN STUDIO SPINを起用した。どこにも負けない施設に仕上げた」と胸を張った。
場所はJR有楽町駅前の有楽町イトシアオフィスタワー14階、広さは約120坪。
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凄いマンションギャラリーを見た。日本橋-銀座-有楽町には同社を含めて8社のマンション総合ギャラリーがあるが、まだ一度も見ていない1社を除いて仕様レベルは他を圧倒している。一頭、いや二頭も三頭も地を抜くレベルの高さだ。
例えて言えば、ホテルなら5つ星、飲食店なら小生は利用したことがない3つ星で、プロ野球選手なら西武の快速投手・平良(何? 知らない。ならば憎き巨人の今年調子がいい菅野か)、野手ならソフトバンク柳田かオリックス吉田、テニスなら大坂なおみさん、女優なら吉永小百合さんクラスだ。
坪賃料は4万円と聞いた。賃料だけでも月480万円だ。1物件ならコストに見合わないだろうが、数物件同時ならむしろ安いというべきか。
小生は以前からケミカル製品、フェイクだらけのモデルルームを批判してきた。本物でないと、目が肥えたマンションや戸建て購入希望者をもてなすことなどできないのは自明の理だ。
難点をいえば、小生のような貧乏人にとってはやや敷居が高いことだ。来場者には、飲料やクッキーなどが自由に振舞われるが、仕事帰りに立ち寄り、コーヒーを飲んだりクッキーを食べたりするような勇気ある女性はまずいないだろう。どうしても行きたいなら「ギャラリークレヴィア新宿」を勧める。
伊藤忠都市開発 マンション総合ギャラリー 第2弾「有楽町イトシア」開設(2020/9/2)
伊藤忠都市開発 新宿に常設の「ギャラリークレヴィア新宿」2月10日開設(2020/1/10)